人類は絶滅動物たちと共存していた
足跡の化石を調査したのは、アリゾナ大学(University of Arizona・米)、コーネル大学(Cornell University・米)、ボーンマス大学(Bournemouth University・英)らの共同研究チームです。
足跡は、ホワイトサンズ国立公園の乾燥地帯で発見され、この場所はかつての湖底と考えられています。
地層に残されていた植物の種子を年代測定した結果、足跡は、約2万3000〜2万1000年前のものと判明しました。
この時期は、最終氷期の最盛期(約2万6500〜1万9000年前)にあたり、地球上の3分の1の土地が氷河に覆われていたと言われています。
調査では、約60の足跡が確認されており、ほとんどが10代の若者や幼い子どもたちの足跡でした。
これらの足跡は、現代人にはあまり見られない平らな足裏によるもので、当時の人々が習慣的に裸足で生活していたことを示します。
一方で、大人サイズの足跡はほとんど見られませんでした。
これは、大人が衣類や道具製作などの熟練した仕事を担い、材料を運ぶ仕事は10代の若者たちに任されていたことを示唆します。
幼い子どもたちは、若者たちの後ろについて回っていたのかもしれません。
人類の足跡の他にも、マンモスやメガテリウム(巨大ナマケモノ)、イヌ、ネコ、ウシ、ラクダの足跡も複数見つかっています。
このことから、研究チームは「当時の人々は、マンモスやメガテリウムといった絶滅種を含む多様な動物たちと共存していたのかもしれない」と推測します。
では、足跡の発見によって、人類による北米進出の歴史はどう変わるのでしょうか。