(左)透明ヒスイ, (右)天然のヒスイ原石
(左)透明ヒスイ, (右)天然のヒスイ原石 / Credit:入舩 徹男(愛媛大学)_超高圧合成法により「透明ヒスイ」の合成に成功(2021)
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人工的に「透明なヒスイ」を作り出すことに成功! (2/3)

2021.10.03 Sunday

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多結晶体を透明にする技術

既存の「多結晶体を透明にする技術」は、不透明なセラミックスなどに利用されてきました。

結晶の隙間にある空気や不純物を取り除くことによっての散乱をなくし、「透明セラミックス」の開発に成功してきたのです。

また超高圧技術を用いた透明度の高い「ナノ多結晶ダイヤモンド」や「ナノ多結晶ガーネット」の合成にも成功しています。

そして研究チームは、同様の手法を用いれば、ヒスイを透明化できると考えました。

異なる粒径の例。粒径を可視光の波長より小さくすると、光が散乱しにくい
異なる粒径の例。粒径を可視光の波長より小さくすると、光が散乱しにくい / Credit:KEYENCE_金属組織の粒度解析

ヒスイの場合のポイントは、1つ1つの結晶粒の大きさ(粒径)をナノレベルにまで小さくすることです。

通常ヒスイは、数μmから数十μmの大きさの結晶粒が集まってできています。

そして光には「波長よりも小さい粒子では散乱しにくい」という性質があります。

つまりヒスイの粒径を可視光の波長(400~800nm)よりも十分小さくすることで、境界面での光の散乱を防ぎ、高い透明度が得られるというのです。

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