冷却で色が変わる理由は?
通常、ダイヤモンドは炭素原子だけが特殊な配列で並んでおり、非常に硬く無色透明です。
ところが、このダイヤモンド構造に欠陥があったり不純物が含まれていたりすると、その影響で色が付きます。
特に天然のダイヤモンドは形成されていく過程で不純物が混じり、色付きになることがあるのです。
例えば、黄色いダイヤモンドは、炭素のダイヤモンド構造に窒素が取り込まれています。
これにより可視光線の青い部分が吸収され、黄色く見えてしまうのです。
では、その色が変化するのはどうしてでしょうか?
カメレオンダイヤモンドはそれぞれ、光や加熱、そして冷却によって色が変化します。
そのため専門家は、ダイヤモンドの色の変化には複数のメカニズムが存在すると考えています。
そして今回のように極度に冷却されると、「電荷が結晶中の不純物に近づいたり遠ざかったりするため、光が当たった時の見え方が変わった」と推測しています。
しかし現段階では、この理論が証明されたわけではありません。
そもそもカメレオンダイヤモンド自体が非常に希少であり、研究者たちが研究用のサンプルを入手するのは容易ではないのです。
しかし冷却されたことがない既存のダイヤモンドは数多く存在するため、新たなサンプルが見つかる可能性は高いでしょう。
今後のサンプル収集と研究による原因解明に期待したいですね。
この新しい発見と調査結果は、10月12日にオレゴン州で開催されるアメリカ地質学会(Geological Society of America) の会議で発表されます。