「親知らず」の生える時期が遅い原因を解明か
「親知らず」の生える時期が遅い原因を解明か / Credit: jp.depositphotos
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「親知らず」が10代後半にならないと生えてこない理由とは?

2021.10.11 Monday

Scientists Finally Know Why Wisdom Teeth Only Emerge When We’re Basically Adults https://www.sciencealert.com/we-now-know-why-we-don-t-get-our-wisdom-teeth-until-we-re-basically-an-adult
A biomechanical perspective on molar emergence and primate life history https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abj0335

一般に「親知らず」として知られる歯は、男女ともに17〜21歳の青年期に生えてきます。

他の歯がだいたい12歳頃までに生え揃う中で、これはかなり遅いと言えるでしょう。

なぜ親知らずだけ遅い時期に生えるのか、人類の進化における大きな謎となっています。

しかしこのほど、アリゾナ大学(University of Arizona・米)の最新研究により、有力な説が浮上しました。

それによると、10代前半には、親知らずを機能させるための筋肉や骨が未発達であることが関係していたようです。

研究は、10月6日付けで学術誌『Science Advances』に掲載されています。

先史時代から「親知らず」の生える時期は遅かった

私たちヒトは12歳前後までに、子どもの歯である乳歯から、大人の歯である永久歯に生え変わります。

この永久歯の中で、上下左右の奥に3本ずつある歯を「大臼歯(だいきゅうし)」と呼びます。

その一番奥に位置するのが第三大臼歯、いわゆる「親知らず」です。

親知らずは、10代後半〜20代前半の遅い時期に生えるため、「親に知られずに生えてくる歯」という意味合いから、日本では「親知らず」と呼ばれるようになりました。

上下左右の奥に1本ずつで計4本ありますが、人によっては親知らずが生えてこなかったり、1本だけ生えてくるなど、個人差があります。

親知らずが生えてくる時の壮絶な痛みに涙した人も多いでしょう。

ヒトの歯の全体図、第三大臼歯が「親知らず」
ヒトの歯の全体図、第三大臼歯が「親知らず」 / Credit: Straumann PARTNERS

また、親知らずはあるけど生えてこない(埋伏・まいふく)ことや、歯茎の中で形成されない(先天性欠損)こともよくあります。

こうした親知らずの特徴は、今に始まったことではありません。

埋伏や欠損は、太古の原始人や弥生時代の頭蓋骨でも普通に見られます。

親知らずにまつわる特徴は古くから存在し、人類の進化の中で形成されたものなのです。

それでは、なぜ親知らずだけが遅い時期に生えるのでしょうか。

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