空気から水を生成できる機械を発明
世界のある地域では、飲料水を入手するために何キロもの道のりを歩かなければいけません。
飲料水の確保が比較的容易な場所であっても、政治紛争、自然災害、気候変動のために、急に水不足に陥る場合もあります。

実際、ベイガ氏も母国スペインで深刻な水不足を経験しました。
もともとスペインは干ばつに見舞われやすい地域であり、1990年代初頭にはその状態が5年間も続いたのです。
そこでベイガ氏は、水不足で苦しんでいる人々を救うために、飲料水を生成する機械を作ることにしました。
彼が作った機械はエアコンと同じ原理で作用します。
電気を使って周囲の空気を冷やし、温度差によって結露を生じさせるのです。

エアコンのドレンホースからチョロチョロと流れる水や、グラスに冷たい飲み物を入れると水滴がつくのと同じメカニズムですね。
本来であれば捨てたり拭き取ったりしていた結露水を、あえて飲料水のために生成しようとしたのです。
ところが彼の作ったプロトタイプは、水不足に陥りやすい環境(高い気温と低い湿度)では機能しませんでした。
「水不足の人々を助ける」というベイガ氏の最初の挑戦は、失敗に終わったのです。
しかし彼はそこであきらめませんでした。