空気から生成された水を飲むエンリケ・ベイガ氏
空気から生成された水を飲むエンリケ・ベイガ氏 / Credit:Aquaer(Youtube)_POTABLE WATER GENERATORS BY CONDENSATION OF WATER STEAM IN THE AIR(2016)
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82歳の老人が「空気から水を生成できる機械」で人々を救う

2021.10.17 Sunday

水は人類にとって最も必要なものの1つですが、乾燥地帯に住む人々には十分に供給されていません。

そのため1990年代、スペインのエンジニアであるエンリケ・ベイガ氏が、「人々を助けるため」に立ち上がりました。

現在82歳になるベイガ氏は、「空気から水を生成できる機械」を使って、難民キャンプで生活している人々にきれいな飲料水を提供し続けています。

82-Year-Old Engineer Builds Machine That Extracts Water From Thin Air https://interestingengineering.com/82-year-old-engineer-builds-machine-that-extracts-water-from-thin-air?utm_source=rss&utm_medium=article&utm_content=11102021 Spanish engineers extract drinking water from thin air https://www.reuters.com/technology/spanish-engineers-extract-drinking-water-thin-air-2021-08-04/

空気から水を生成できる機械を発明

世界のある地域では、飲料を入手するために何キロもの道のりを歩かなければいけません。

飲料水の確保が比較的容易な場所であっても、政治紛争、自然災害、気候変動のために、急に水不足に陥る場合もあります。

スペインの乾燥地帯
スペインの乾燥地帯 / Credit:Depositphotos

実際、ベイガ氏も母国スペインで深刻な水不足を経験しました。

もともとスペインは干ばつに見舞われやすい地域であり、1990年代初頭にはその状態が5年間も続いたのです。

そこでベイガ氏は、水不足で苦しんでいる人々を救うために、飲料水を生成する機械を作ることにしました。

彼が作った機械はエアコンと同じ原理で作用します。

電気を使って周囲の空気を冷やし、温度差によって結露を生じさせるのです。

温度差による結露を利用した機械を発明
温度差による結露を利用した機械を発明 / Credit:(左)Panasonic, (右)Depositphotos

エアコンのドレンホースからチョロチョロと流れる水や、グラスに冷たい飲み物を入れると水滴がつくのと同じメカニズムですね。

本来であれば捨てたり拭き取ったりしていた結露水を、あえて飲料水のために生成しようとしたのです。

ところが彼の作ったプロトタイプは、水不足に陥りやすい環境(高い気温と低い湿度)では機能しませんでした

「水不足の人々を助ける」というベイガ氏の最初の挑戦は、失敗に終わったのです。

しかし彼はそこであきらめませんでした。

次ページ1日500リットルの水を難民キャンプの人々に提供

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