赤ちゃんが初めて呼吸する瞬間、大きな変化が起きている
赤ちゃんが初めて呼吸する瞬間、大きな変化が起きている / Credit:Depositphotos
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人生「初めての呼吸」で赤ちゃんの心臓と肺は一瞬で変化する (2/3)

2021.10.17 Sunday

前ページ胎児の心臓には2つの特徴がある

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赤ちゃんの肺と心臓は生まれてすぐに変化する

胎児の心臓には成人にはない特殊な穴と血管によってをバイパスしています。

しかし私たちが知っているように、産道から出た子供はすぐに産声をあげ、肺呼吸するようになりますね。

赤ちゃんの最初の呼吸
赤ちゃんの最初の呼吸 / Credit:Depositphotos

実はこの呼吸への移行は生まれた直後、急激に起こります

胎児の肺は、子宮内の羊水と、肺の細胞が分泌した肺胞液に満たされています。

しかし、狭い産道を通るとき圧迫されて多くを吐き出し、残った液体は肺の中で液体を分泌してきた細胞が、逆に機能して吸収されます。

これにより肺には酸素を取り込むためのスペースが生まれます。

そして赤ちゃんの最初の呼吸によって、すぐに肺は空気で満たされた状態になります

ちなみに、この最初の呼吸は非常に強力なので、場合によってはこの時に肺に穴が開いてしまうこともあるのだとか。

(左)胎児の血液の循環経路, (右)新生児や成人の血液の循環経路
(左)胎児の血液の循環経路, (右)新生児や成人の血液の循環経路 / Credit:BruceBlaus(Wikipedia)_循環器(2021)

さて、2010年の研究によると、この最初の肺の膨らみによって肺の血流は低圧状態になるようです。

これにより右心室から肺に血液が一気に流入。

結果として新しい血流の経路が生まれ、胎児特有の血液循環から、肺を経由する本来の血液循環へと移行します。

ではこの時、胎児特有の2つの特徴はどうなっているのでしょうか?

次ページ胎児の心臓の特徴は生後2日以内になくなる

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