赤ちゃんが初めて呼吸する瞬間、大きな変化が起きている
赤ちゃんが初めて呼吸する瞬間、大きな変化が起きている / Credit:Depositphotos
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人生「初めての呼吸」で赤ちゃんの心臓と肺は一瞬で変化する (3/3)

2021.10.17 Sunday

前ページ赤ちゃんの肺と心臓は生まれてすぐに変化する

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胎児の心臓の特徴は生後2日以内になくなる

胎児の特徴だった卵円孔と動脈管は、赤ちゃんの呼吸と同時に変化します。

2010年の同じ研究によると、が膨らんで低圧状態になると、卵円孔は閉じてしまうようです。

これにより右心房と左心房の通路が消え、ほとんどの血流が右心室を通して肺に流れ込むようになるのです。

一方、動脈管については生後少しの間は失われません

肺の低圧状態によって新しい血流の経路ができると、動脈管はもはや必要ありません。

そのため動脈管は徐々に収縮し始め、生後2日以内には閉じてしまうようです。

この時点で初めて、赤ちゃんの全身から帰ってきた血液の100%が、肺を経由することになるのです。

赤ちゃんは生まれてすぐに肺呼吸になり、2日以内には完全な血液循環を得る
赤ちゃんは生まれてすぐに肺呼吸になり、2日以内には完全な血液循環を得る / Credit:Depositphotos

ちなみに、生まれたばかりの赤ちゃんの肌がピンク色になって、いわゆる「正常な状態」だと判断されるには約5分かかります。

しかし血液の循環経路の移行は、文字通り「一息のうちに」起こっているのです。

小児病院のある医師は、その一瞬の移行について「まさに魔法のような瞬間だ」と述べています。

赤ちゃんの誕生はよく奇跡に例えられますが、呼吸と血液の循環を見ても、やはり奇跡的な瞬間だと言えるのですね。

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