収穫した後に成熟する果物があるのはなぜか?
収穫した後に成熟する果物があるのはなぜか? / Credit:Depositphotos
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収穫後も熟成する果物としない果物があるのはなぜなのか?

2021.10.22 Friday

果物が追熟するのは何のため? ~見逃されていた生態学的意義を初めて検証~ https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20210915-1.html
Evolutionary ecology of climacteric and non-climacteric fruits https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2021.0352

全ての果物は、収穫後に成熟が続くもの(バナナ、アボカド、リンゴなど)と収穫後は成熟しないもの(ブドウ、イチゴ、サクランボなど)に分類されます。

収穫後に成熟が続くことを「追熟(ついじゅく)」と言いますが、この反応は昔から知られており、メカニズムも研究されてきました。

ところが、「なぜ追熟する果物と追熟しない果物があるのか?」という疑問が検証されたことはありません

そこで東京大学大学院農学生命科学研究科に所属する深野 祐也(ふかの ゆうや)氏ら研究チームは、調査によって「果物が追熟するかしないかの違いは、その果実を食べてもらうターゲットの違いによって生じている」という仮説を提唱しました。

研究の詳細は、9月15日付の科学誌『Biology Letters』に掲載されています。

果物の追熟

バナナは追熟するが、サクランボは追熟しない
バナナは追熟するが、サクランボは追熟しない / Credit:(左)Depositphotos, (右)Depositphotos

追熟型の果物は、収穫した後でも一定の期間置くことで甘さが増したり、果肉が柔らかくなったりします。

これまでの研究により、この追熟には果物の植物ホルモン(エチレン)が関係していると分かっています。

そのため追熟型の果物は、収穫した後にエチレンガスを用いた成熟時期のコントロールが可能です。

つまりあえて成熟する前に収穫し、輸送を経て、店頭に並べたときに最も熟した状態にもっていくことができるのです。

一方、非追熟型の果物は1度収穫してしまうと時間経過で甘くなることはありません

そのため成熟してから収穫し、新鮮なうちに食べるのが良いとされています。

では、同じ果物なのに、なぜこうした違いがあるのでしょうか?

深野氏らは、それら果物を生態学的な役割の観点から仮説を立て、調査することにしました。

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