NASAの探査機ジュノーは木星大気の3次元画像を提供した
NASAの探査機ジュノーは木星大気の3次元画像を提供した / Credits: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/NASA/ESA, M.H. Wong and I. de Pater (UC Berkeley) et al.
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木星の大赤斑は「地上から国際宇宙ステーションの距離より深く広がる嵐の渦」だった

2021.10.29 Friday

NASA’s Juno: Science Results Offer First 3D View of Jupiter Atmosphere https://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-juno-science-results-offer-first-3d-view-of-jupiter-atmosphere Jupiter’s Great Red Spot is even deeper than scientists had thought https://www.space.com/jupiter-great-red-spot-deeper-than-thought
The depth of Jupiter’s Great Red Spot constrained by Juno gravity overflights https://www.science.org/doi/10.1126/science.abf1396 Microwave observations reveal the deep extent and structure of Jupiter’s atmospheric vortices https://www.science.org/doi/10.1126/science.abf1015

木星を周回するNASAの探査機「ジュノー」が、木星を取り巻く雲の内部の動きを捉えました。

これは目では見えない木星大気内部の激しい嵐の構造がどのようになっているかを理解するために役立ちます。

そして、このデータから木星のトレードマークとも言える大赤斑の嵐がどのくらいの深さまで広がっているかも明らかとなったのです。

報告された論文によると、大赤斑は雲頂から500kmもの深さまで続いているといいます。

これは地球に置き換えた場合、地上から国際宇宙ステーション(ISS)が浮かぶ軌道上よりも長い距離です。

ジュノーによる研究の詳細は、10月28日付で科学雑誌『Science』に2つの論文で発表されています。

科学者の予想よりもずっと深かった木星の大赤斑

木星の大赤斑
木星の大赤斑 / Credit:NASA, ESA, and A. Simon (Goddard Space Flight Center)

木星は長く人類に観測されてきていますが、巨大なガス惑星である木星は分厚いに覆われていてい、その雲の下がどのようになっているかは詳しくわかっていません。

特徴的な縞模様は、猛烈な嵐によって運ばれる雲であり、その表面に浮かぶ大赤斑と呼ばれる赤い斑点も、数百年以上続いている嵐の渦です。

写真で見た場合、スケール感がよくわかりませんが、大赤斑は地球の2.5倍ものサイズであることがわかっています。

しかし、それは2次平面的に見た面積においての話です。

この分厚い雲の下で、この巨大な大赤斑の嵐がどのくらいの深さまで続いているのかはわかっていませんでした。

しかし、新たな研究は、大赤斑の深さが雲頂から500kmも広がっていることを明らかにしたのです。

500kmという高さは、即座にピンとは来ない距離ですが、現在さまざまな宇宙研究の拠点となっている国際宇宙ステーション(ISS)が浮かぶ高度は、地上から約300~400kmです。

地球の地上約400km上空に浮かぶ国際宇宙ステーション
地球の地上約400km上空に浮かぶ国際宇宙ステーション / Credit:Wikipedia

つまり大赤斑はISSが浮かぶ位置より、さらに大きく広がった構造を持つ嵐だったということが明らかになったのです。

ジュノーが測定した木星大赤斑の大きさと深さを地球との合成で示した図
ジュノーが測定した木星大赤斑の大きさと深さを地球との合成で示した図 / Credit:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS; JunoCam Image processing by Kevin M. Gill (CC BY); Earth Image: NASA

では、これまで見ることのできなかった木星の雲の下に広がる、このような事実は一体どうやって明らかにされたのでしょうか?

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