空気だけで生きる細菌が見つかる。地球外生命体の発見に新たな可能性

science_technology 2017/12/12
Credit: Pixabay

なんと、空気だけを食べて生きる細菌が発見されました。

私たち生命はエネルギー源として栄養分を必要とします。植物であれば、光合成によって太陽の光から栄養素を合成して生きています。しかしこの細菌、光合成のための光も熱水鉱床の熱も必要としないのです。これは、生命の存在可能条件が広がったことを表しています。

実は地球外惑星にも、生命がたくさんいるのかも……。

Atmospheric trace gases support primary production in Antarctic desert surface soil
https://www.nature.com/articles/nature25014

南極で空気だけで生きる細菌を発見

Credit: Pixabay

オーストラリア、ニューサウスウェールズ大学の研究チームは、南極で空気中の化学物質だけで生きることができる新しいタイプの細菌を発見しました。その空気中の科学物質とは、水素、一酸化炭素、そして二酸化炭素といった大気中にありふれた成分です。

南極は地球上で最も過酷な環境の一つです。土壌には有機炭素がとても少なく、冬の暗い時期には光合成によるエネルギーの生産はほとんどありません。しかしこのような寒くて暗い、乾いた砂漠地帯にもかかわらず、なぜか驚くほど多様な細菌共同体の住みかとなっています。

では一体、この細菌はほとんど水のないところでどうやって生き残ることができたのでしょうか。

無機物である水素と一酸化炭素から栄養を摂取

研究者たちは、南極大陸の氷を含まない2箇所から土壌サンプルを得ました。この土壌は、生命体や細菌のあらゆるたぐいの食料源がほとんど存在しません。そこから得られた23の細菌のDNA上の全遺伝情報を調べた結果、WPS-2とAD3という2つの今までに知られていないグループを見つけました。

その中でも多数派だった種は、水素と一酸化炭素にくっつく性質を持つ遺伝子を持っており、これらの細菌が生き延びるのに必要な気体を素早く十分に大気中から集められることを示しています。

弱い日光だろうが、地熱エネルギーがなかろうが、栄養源がすくなかろうが、問題ありません。これは初めて発見された、空気を食べる生命体なのです。

他の惑星の大気でも生存できるか?

次のステップは、こういったタイプの細々と生きる細菌が、どれだけ広がっているのかを確かめることでしょう。南極だけなのでしょうか。それとも世界中のどこかにいるのでしょうか。最終的には、呼吸するための空気以外の食べ物を必要としない、こういった細菌が他の惑星でも見つかるかもしれません。

筆頭研究者のバリンダ・フェラーリ氏はこう言います。「南極のような物理的に過酷で栄養素の不足する環境にさえ生命が存在できます。そのメカニズムに対する理解は、他の惑星で、大気中の空気によって生命を育まれる可能性の扉を開きます

 

via: sciencealert.com / text by nazology staff

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