18世紀の心肺蘇生法とは
18世紀の心肺蘇生法とは / Credit:Depositphotos
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蘇生法にまつわる驚きの歴史「タバコ浣腸」

2021.11.14 Sunday

Reversing death: the weird history of resuscitation https://theconversation.com/reversing-death-the-weird-history-of-resuscitation-168592

現代では、ほとんどの人が心肺蘇生法(CPR)を学ぶ機会があります。

医療従事者でなくても、心臓マッサージ(胸骨圧迫)と人工呼吸の方法、さまざまな場所に設置されているAEDの活用方法をある程度知っていることでしょう。

しかし、正しい心肺蘇生法がこれほど普及するまでには長い道のりがありました

今回は蘇生法の歴史と、その中で生まれてきた奇妙な治療法をご紹介します。

18世紀の蘇生「溺れた少年が息を吹き返す」

1782年6月、アメリカ・ペンシルベニア州の都市フィラデルフィアの新聞に、当時では最新だった蘇生法の成功例が掲載されました。

5歳のローランド・オリバーくんが川の中に転がり落ちてしまったようです。

彼は川の中で10分間もがいた後に引き上げられましたが、死んだようにぐったりとしていました。

両親は「ローランドはまだ死んでいない」と思い、当時知られていた蘇生法を試します。

ローランドさんの服をすべて脱がし、彼を手で何度も叩いた後、蒸留酒に浸した布で体をこすったのです。

溺れた少年が息を吹き返す
溺れた少年が息を吹き返す / Credit:Depositphotos

その後、到着した医師は両親と同じ蘇生法を再び試しました。

加えて、ローランドさんの足をお湯に浸したり嘔吐剤を飲ませたりします。

約20分後、少年はなんとか息を吹き返し、この蘇生成功の話は多くの人に知られることになりました。

その結果、溺れた人を蘇生するためのガイドラインや薬、道具が収まったキットが川沿いに設置されるようになったと言われています。

この事例は、「民間人の応急処置が人を溺死から救える」ことを示すものとなりました。

そしてこれ以来、さまざまな蘇生法が生まれては試されるようになります。

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