熱と電気の2つの刺激に反応し、色と形を変化させる
![熱で色が変化し、電流で形状が変わる](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/04/7jpfc7-1.gif)
新しいスマートファブリックは、動画で示されているように、ドライヤーで加熱して温度が20℃から60℃に上昇すると、生地が瞬時に紫色から水色へと変化しました。この変化は熱が取り除かれることで元に戻ります。
新素材に電気を流して加熱する方法でも色の変化が生じます。
また電流でスマートファブリックの形状を変化させることができ、電流を止めることで元の形に戻せます。
さらにスマートファブリックの一部分だけを選択的に形状変化させたり色を変えたりすることも可能です。
![特定の部位だけ反応させることも可能](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/04/7jpf4e-1.gif)
この新素材を応用するなら、寒い時と暑い時で異なる形状に自動変形する「体温調節機能を持つ衣服」を開発できるかもしれません。
また心拍数や筋肉の状態を検知するシステムと統合し、体の負荷に合わせて変形したり色の変化で状態を教えたりする特殊なスポーツウェアの開発に繋がるかもしれません。
さらに研究チームは、この布素材を発展させて、VR体験でより深い没入感を与えるウェアラブルデバイスを開発できると考えています。
![次世代のウェアラブルデバイスの開発に役立つかも](https://nazology.net/wp-content/uploads/2023/04/920ac7536f88ec8af441832abe79e2f2-900x600.jpg)
新しいスマートファブリックの材料が安価であること、低電圧(20秒間で5V)でも作動することから、ウェアラブルデバイス以外にも、小型の生物医学デバイスや環境センサーなどにも利用できると考えられます。
加えて、「衝突しても元の形状に戻る自動車のバンパー」などの開発にも繋がる可能性があります。
もちろん、今回開発された新材料がすぐに実用化されるわけではありません。
それでも「2つの異なる刺激」で反応する布材料は、様々な分野で応用でき、次世代のテクノロジーを生み出す可能性を秘めています。