未来のクルマ、二輪EV「シェーン」のデザイン
未来のクルマ、二輪EV「シェーン」のデザイン / Credit:Shane Chen
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縦列駐車も簡単!バランススクーターみたいな「未来の自動車」

2023.11.07 Tuesday

自動車の姿は、開発されてから現在に至るまで、ほとんど変わっていません。

もうそろそろ「新しい自動車のかたち」へと変化してもいい時期なのかもしれません。

バランススクーターを生み出したアメリカの発明家シェーン・チェン氏は、最近、まるでバランススクーターのような新しい自動車を考案しました。

その電気自動車(EV)は、車体の左右に1輪ずつしか車輪がありませんが、バランススクーターのように重心を移動させながら走行できるようです。

Hoverboard Inventor Turns Heads With Two-Wheeled Car https://spectrum.ieee.org/hoverboard-car electric car in hoverboard shape comes with two big wheels & doors that open like clamshell https://www.designboom.com/technology/electric-car-hoverboard-concept-two-wheels-shane-chen-10-18-2023/# A Revolutionary Two-Wheeled Electric Car Invention https://inventist.com/

未来のクルマのかたち?バランススクーターみたいな二輪EV

チェン氏と彼が開発したバランススクーター「Hovertrax」
チェン氏と彼が開発したバランススクーター「Hovertrax」 / Credit:Shane Chen

2011年、発明家のシェーン・チェン氏は、バランススクーター「Hovertrax」を開発しました。

バランススクーター(ホバーボードと呼ばれることもある)とは、ハンドルがあるスクーターとは異なり、体重移動だけでコントロールする2輪の乗り物です。

電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」からハンドルを取り除いたような見た目をしています。

日本ではバランススクーターを使って公道を走ることはできないため、あまり見かけることはありませんね。

しかし世界的には「近未来のモビリティ」として注目を集めています。

そして最近、チェン氏は、以前に開発したバランススクーターのノウハウを用いて、新しい自動車のアイデアを考案しました

バランススクーターのようなEV「シェーン」
バランススクーターのようなEV「シェーン」 / Credit:Shane Chen

その未来のクルマは、彼自身の名前から「シェーン(Shane)」と名付けられています。

シェーンは通常の自動車とは異なり、2つの車輪しか持たない電気自動車です。

「これぞ未来のクルマ」と言いたくなるほど、ユニークで洗練されたデザインですが、安定性が気になります。

特に発進時や停止時には車体の加減速により、前部や後部が上下に傾くはずです。

走行中にシーソーのような上下動が繰り返されるなら、乗っている人は軽い車酔い程度では済まされないでしょう。

チェン氏はこの課題について、「車輪に対して車体を前後させることで重心をコントロールし、解決できる」と述べています。

車体を前後させることでバランスを取る。段差があっても車体の位置は変わらない。
車体を前後させることでバランスを取る。段差があっても車体の位置は変わらない。 / Credit:Inventist Inc(YouTube)_Introducing SHANE: a first-of-its-kind parallel two-wheeled electric car concept from Inventist(2023)

コンセプトムービーでは、その動きが表現されていますね。

また段差があっても、車輪だけを上下させる(車体の高さを変えない)ことで、乗り心地を良くしているようです。

そしてチェン氏によると、従来の4輪のクルマから2輪に変更することで、いくつかのメリットも得られるとのこと。

まず車輪が少なくなった(接地点の減少)おかげで走行中の摩擦が少なくなり、エネルギー効率が高まります。

これによって、より少ない電力で長距離を走ることができます。

また動画でも示されているように、その場で方向転換できます

2輪だと縦列駐車が簡単
2輪だと縦列駐車が簡単 / Credit:Inventist Inc(YouTube)_Introducing SHANE: a first-of-its-kind parallel two-wheeled electric car concept from Inventist(2023)

多くの人が苦手としている縦列駐車も簡単になるでしょう。

ちなみに動画内には、シェーンの前部と後部がまるで貝のように開き、5人が乗車している映像があります。

乗車の仕方もこれまでの自動車とは大きく異なっているのです。

まさにシェーンは、「自動車の新しいかたち」を提示していると言えます。

前部と後部が貝のように開く
前部と後部が貝のように開く / Credit:Inventist Inc(YouTube)_Introducing SHANE: a first-of-its-kind parallel two-wheeled electric car concept from Inventist(2023)

現段階では、シェーンの細かな機能や構造は説明されていません。

チェン氏が新しいアイデアを実現させるには、これから多くの研究開発とテストが必要になってくるでしょう。

彼はこのコンセプトの実現を支援してくれるパートナーを探しており、既に数社と交渉中のようです。

未来のクルマがいつ、どのような形で登場するのか、楽しみに待ちたいものです。

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