実験室の外でも計測可能な量子重力センサー
実験室の外でも計測可能な量子重力センサー / Credit:Michael Holynski(University of Birmingham)et al., Nature(2022)
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地下の空洞を検出できる量子重力センサーが開発される (2/2)

2022.03.11 Friday

前ページ超高感度な重力計の限界

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課題を克服した「量子重力センサー」が開発される!

課題を克服した量子重力センサー
課題を克服した量子重力センサー / Credit:Michael Holynski(University of Birmingham)et al., Nature(2022)

量子重力センサーは、量子物理学の原理を利用した超高感度な計測器です。

原子を自由落下させた際の微妙な変化を測定することで、僅かな重力の違いを検出できます。

とはいえ、量子重力センサーも振動や機器の傾き、磁場や熱場の影響を受けてしまいます。

超高感度ですが、それゆえ環境ノイズに弱いことが大きな課題となり、これまで「実用化は難しい」と考えられていたのです。

しかしチームは今回、新しい設計を導入することで、課題となっていたノイズ除去に成功したのです。

実際、野外で新しい量子重力センサーを試したところ、地下約1mにあるトンネルを確認できました。

量子重力センサーによって地下のトンネルを発見
量子重力センサーによって地下のトンネルを発見 / Credit:Michael Holynski(University of Birmingham)et al., Nature(2022)

量子重力センサーが、環境要因の少ない実験室の外で成果を収めたのは、これが初めてです。

研究チームは、「従来の方法よりも信頼性が高く、安価で、10倍はやくなる」と述べています。

これまで1カ月かかっていた調査を、僅か数日に短縮させることも可能なのです。

新しい量子重力センサーが製品化するなら、建設・探査などの作業が一気に加速するでしょう。

将来的には、「火星など、太陽系の他の惑星の内部構造を調査するのに役立つ」と言われています。

量子技術を運用するなら、惑星でさえ内部まで丸裸にできるのですね。

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