50TBの情報を記録できる磁気テープが登場
50TBの情報を記録できる磁気テープが登場 / Credit:Canva
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50TBの記憶容量を誇る磁気テープが開発される! (2/2)

2023.10.07 Saturday

前ページ情報が溢れる現代だからこそ「磁気テープ」が活躍する

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世界最大の記憶容量!50TBのテープ・ストレージ・システム

2023年8月30日、IBMと富士フイルムは、世界最大の記憶容量を誇るテープ・ストレージ・システムを開発しました。

このシステムは、IBMの最新世代の「TS1170ドライブ」と、富士フイルム開発の磁気テープ「IBM 3592 JFテープ・カートリッジ」を組み合わせたもので、IBMより発売されています。

IBMの最新世代の「TS1170ドライブ」
IBMの最新世代の「TS1170ドライブ」 / Credit:IBM

その最大容量はなんと非圧縮時50TB、圧縮時150TBという驚異的な数字です。

同じく磁気テープであるLTO-9(2021年)が非圧縮時18TBであることを考えると、磁気テープの容量が驚くべき速度で進化しているのが分かりますね。

では今回の新システムは、どのように磁気テープの限界を広げたのでしょうか。

そのポイントは、「ナノ粒子設計技術」にあります。

テープに散りばめる磁性体のサイズを縮小し、磁気特性を強化することで、面記録密度を大幅に向上させているのです。

また磁性体の高分散技術により、個々の粒子の凝集を防ぎ、粒子をより均一に分散させることができました。

加えて、磁性体が乗るフィルムをより薄く、強固にすることで、カートリッジ1本あたりのテープ長を15%(第5世代3592 JEテープ・カートリッジと比較)延長しています。

磁気テープに膨大なデータを保存する時代が到来
磁気テープに膨大なデータを保存する時代が到来 / Credit:Canva

この新しい磁気テープを読み取るには専用のドライブが必要ですが、従来のハードディスクとは比較にならないほど大量のデータを安全に保管できます。

ますます複雑化する情報社会において、磁気テープこそが最良の記憶媒体なのかもしれません。

「テープが古い」時代はもう終わり、「テープこそが最先端」な時代が到来しています。

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