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緊張しがちな人が試すべき「ここ一番の勝負時」に緊張を和らげるコツ

2021.01.28 Thursday

2019.02.04 Monday

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Point
■「すでに成功を手にしており、単にそれを保持すればよい」と考えることで、緊張時の息苦しさを防ぐことができる
■大きい勝負に挑む時ほど、脳の腹側線条体と運動神経を司る領域の間で交わされる情報伝達が減少
■「すでに成功している」という発想の転換を行うことで、タスクに失敗した時のストレス値の上昇も防止できる

物事の成功には適度な緊張感が不可欠です。ですが、過ぎたるは及ばざるが如し。過度な緊張は、むしろ成功を妨げます。

試合、試験、面接といった緊張をともなう場面で生じるこの悩みを解決するためのヒントが、最近の研究で明らかになりました。ここ一番の勝負に臨む時に、自分の力を最大限に引き出すコツとは一体?

ジョンズ・ホプキンス医学校のヴィクラム・チブ氏らが、プレッシャーを感じる場面でも、緊張にともなう息苦しさを防ぐためのテクニックを発表しました。「負けたくない」と考えるのではなく、「すでに成功を手にしており、それを保持すればよい」という考え方に切り替えることで、平常心で勝負に挑むことができるとのこと。論文は「Social Cognitive and Affective Neuroscience」に掲載されました。

Reappraisal of incentives ameliorates choking under pressure and is correlated with changes in the neural representations of incentives
https://academic.oup.com/scan/article/14/1/13/5210274

負けず嫌いほど緊張でパフォーマンスが下がる

この研究は、チブ氏らが過去に示した説に基づいて行われました。この説は、運動神経の正確な制御が必要なタスクに取り組む時、人が緊張で息苦しくなりがちで、特に負けず嫌いの人ほどその傾向が強いことを示すものでした。掛けられている報酬が高い時、つまり大きい勝負に挑む時ほど、脳の腹側線条体と運動神経を司る領域の間で交わされる情報伝達が減少。その結果、息が苦しくなり、パフォーマンスが下がったのです。

その背後には、負けず嫌いの人ほど、報酬を「得る」ものというより、失敗したら「失う」ものとして認識する傾向があるという事実が存在します。「失いたくない」という消極的な感情反応が裏目に出て、腹側線条体の活動を低下させ、運動神経を正常に制御できなくなってしまうのです。

そこで、「報酬がすでに自分の持ち分になっており、それを保持すればよい」という意識でタスクに臨むよう指示を被験者に与えたところ、緊張で息苦しくなる傾向は下がり、腹側線条体の活動低下は減少しました。これは、タスクを、すでに手にしている持ち分を保持するためのチャンスとして捉えることで、「失う」ことを恐れる気持ちが減少したためです。

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