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緊張しがちな人が試すべき「ここ一番の勝負時」に緊張を和らげるコツ

psychology 2019/02/04

Point
■「すでに成功を手にしており、単にそれを保持すればよい」と考えることで、緊張時の息苦しさを防ぐことができる
■大きい勝負に挑む時ほど、脳の腹側線条体と運動神経を司る領域の間で交わされる情報伝達が減少
■「すでに成功している」という発想の転換を行うことで、タスクに失敗した時のストレス値の上昇も防止できる

物事の成功には適度な緊張感が不可欠です。ですが、過ぎたるは及ばざるが如し。過度な緊張は、むしろ成功を妨げます。

試合、試験、面接といった緊張をともなう場面で生じるこの悩みを解決するためのヒントが、最近の研究で明らかになりました。ここ一番の勝負に臨む時に、自分の力を最大限に引き出すコツとは一体?

ジョンズ・ホプキンス医学校のヴィクラム・チブ氏らが、プレッシャーを感じる場面でも、緊張にともなう息苦しさを防ぐためのテクニックを発表しました。「負けたくない」と考えるのではなく、「すでに成功を手にしており、それを保持すればよい」という考え方に切り替えることで、平常心で勝負に挑むことができるとのこと。論文は「Social Cognitive and Affective Neuroscience」に掲載されました。

Reappraisal of incentives ameliorates choking under pressure and is correlated with changes in the neural representations of incentives
https://academic.oup.com/scan/article/14/1/13/5210274

負けず嫌いほど緊張でパフォーマンスが下がる

この研究は、チブ氏らが過去に示した説に基づいて行われました。この説は、運動神経の正確な制御が必要なタスクに取り組む時、人が緊張で息苦しくなりがちで、特に負けず嫌いの人ほどその傾向が強いことを示すものでした。掛けられている報酬が高い時、つまり大きい勝負に挑む時ほど、脳の腹側線条体と運動神経を司る領域の間で交わされる情報伝達が減少。その結果、息が苦しくなり、パフォーマンスが下がったのです。

その背後には、負けず嫌いの人ほど、報酬を「得る」ものというより、失敗したら「失う」ものとして認識する傾向があるという事実が存在します。「失いたくない」という消極的な感情反応が裏目に出て、腹側線条体の活動を低下させ、運動神経を正常に制御できなくなってしまうのです。

そこで、「報酬がすでに自分の持ち分になっており、それを保持すればよい」という意識でタスクに臨むよう指示を被験者に与えたところ、緊張で息苦しくなる傾向は下がり、腹側線条体の活動低下は減少しました。これは、タスクを、すでに手にしている持ち分を保持するためのチャンスとして捉えることで、「失う」ことを恐れる気持ちが減少したためです。

脳がわざと報酬から気をそらそうとする

この先行研究の結果をもとに、チブ氏を含む新しいチームは、報酬を「勝ち取りに行く」典型的な場面において、人が意識的に「ものの考え方」を変えることが可能かどうか、つまり「『すでに手にしている持ち分の喪失を避ける振り』をわざとして、プレッシャーを感じる場面でも脳をだまして落ち着かせることが可能かどうか」を調べました。

前回と同じタスクが用いられましたが、今回の被験者には、「すでに高い報酬を手にしており、それを保持するためにタスクに取り組んでいる」ことを想像するよう指示が与えられました。

その結果、被験者が緊張で息苦しくなる傾向が劇的に減少。負けず嫌いの人だけでなく、すべての被験者に効果が現れました。腹側線条体の活動を見ると、被験者に報酬の内容が示される時に特に、腹側線条体の活動が低下しました。まるで、脳がわざと報酬のことから気を反らそうとしているかのようでした。

また、手の指から出る汗の量をもとに被験者が感じるストレス値を計測したところ、「報酬を保持する」という考え方をした被験者は、そうでない被験者と違って、タスクに失敗した時のストレス値の上昇が見られませんでした。ものの見方次第で、プレッシャーがいかに効果的に排除されるかを物語っています。

これまで、緊張時の息苦しさを防ぐための方法として、他のことで気を紛らわせたり、深呼吸をして身体の力を抜いたり、成功する様子を頭に思い描いたりといった方法が紹介されてきました。こうした従来の方法と異なり、今回発表された方法は、自分が挑む勝負に対する考え方そのものを再構成することで、認知処理のプロセスに現れる逆効果を根本から引き起こさないという画期的なものです。

 

面接は、「尋問」ではなく「表彰」を受け、周囲から拍手喝采を浴びるカッコいい自分を想像しつつ臨んでみましょう。ただし、現実と想像をごっちゃにしないようにだけは気をつけたほうがいいかも…。

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reference: digest.bps / translated & text by まりえってぃ

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