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緊張しがちな人が試すべき「ここ一番の勝負時」に緊張を和らげるコツ (2/2)

2021.01.28 Thursday

2019.02.04 Monday

前ページ負けず嫌いほど緊張でパフォーマンスが下がる

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脳がわざと報酬から気をそらそうとする

この先行研究の結果をもとに、チブ氏を含む新しいチームは、報酬を「勝ち取りに行く」典型的な場面において、人が意識的に「ものの考え方」を変えることが可能かどうか、つまり「『すでに手にしている持ち分の喪失を避ける振り』をわざとして、プレッシャーを感じる場面でも脳をだまして落ち着かせることが可能かどうか」を調べました。

前回と同じタスクが用いられましたが、今回の被験者には、「すでに高い報酬を手にしており、それを保持するためにタスクに取り組んでいる」ことを想像するよう指示が与えられました。

その結果、被験者が緊張で息苦しくなる傾向が劇的に減少。負けず嫌いの人だけでなく、すべての被験者に効果が現れました。腹側線条体の活動を見ると、被験者に報酬の内容が示される時に特に、腹側線条体の活動が低下しました。まるで、脳がわざと報酬のことから気を反らそうとしているかのようでした。

また、手の指から出る汗の量をもとに被験者が感じるストレス値を計測したところ、「報酬を保持する」という考え方をした被験者は、そうでない被験者と違って、タスクに失敗した時のストレス値の上昇が見られませんでした。ものの見方次第で、プレッシャーがいかに効果的に排除されるかを物語っています。

これまで、緊張時の息苦しさを防ぐための方法として、他のことで気を紛らわせたり、深呼吸をして身体の力を抜いたり、成功する様子を頭に思い描いたりといった方法が紹介されてきました。こうした従来の方法と異なり、今回発表された方法は、自分が挑む勝負に対する考え方そのものを再構成することで、認知処理のプロセスに現れる逆効果を根本から引き起こさないという画期的なものです。

面接は、「尋問」ではなく「表彰」を受け、周囲から拍手喝采を浴びるカッコいい自分を想像しつつ臨んでみましょう。ただし、現実と想像をごっちゃにしないようにだけは気をつけたほうがいいかも…。

心理学が教える「生きるのが楽になる」10のコツ 「よく寝たと勘違いする方法」

reference: digest.bps / translated & text by まりえってぃ

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