昨年、人知れず世界中を走った「謎の地震波」の正体がわかったかもしれない

geoscience 2019/03/24
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Point
■アフリカ南東沖のマヨット島近くで起こった静かで巨大な地震波が世界を駆け巡ったが、原因はわかっていなかった
■詳しい調査から、海底の地層で起こった巨大なマグマの移動が原因だと見られている
■噴火の原因はわかっておらず、噴火であると考えると説明のつかない現象も起きているため、さらなる研究が必要

昨年11月に起こった、誰にも気づかれず世界を駆け巡った地震波。原因不明とされてきましたが、もしかしたらその原因がわかったかもしれません。

それは歴史上例のない、沖合の火山活動です。

もしこの仮説が正しいとすれば、コモロ諸島近くのマヨット島沖合の海底で巨大なマグマの移動が起こったということになります。研究は、「EarthArXiv」で読むことができます。

The volcano-tectonic crisis of 2018 east of Mayotte, Comoros islands
https://eartharxiv.org/d46xj/

マヨット島はすでに1ヶ月に9mmの速度で沈み始めており、また東の方向へも1ヶ月に16mm動いています。この動きは地下の空洞からマグマが流れ出た事によって萎縮しているという仮説と一致します。

「2018年に起きたことは、噴火によるものだと信じていますが、現在までに直接観察はされていません。おそらく、記録にあるものの中でも最大規模の沖合噴火です」と研究者は述べています。

世界中を地震波が駆け巡った11月までに記録された、6ヶ月間の地震波から、地表から28km深くの噴火地点から、1km3以上のマグマの移動があったことが示唆されています。

Long exposure of Tungurahua volcano with blue skyes

考察によると、すべてのマグマが海底にまで上がってきたわけでなく、代わりに取り囲んでいる地層の中を流れており、火山性ガスはマグマの中にとらわれたままだと言うことです。それにより、表面上何も観測されなかった理由の説明も付きます。

地震波は現在も続いているため、科学者達は急いでこの領域に多くの観測機器を設置していて、実際には何が起こったのかさらなる理解を得ようとしています。今の所、巨大な火山噴火という説明が現存するデータを一番良く説明しています。

しかし、多くの疑問点も残っています。最も新しい火山性の島がコモロ諸島の西側にあるのに、地震波イベントが起きたのが東側であるのはなぜでしょう?また、マグマが地下に閉じ込められたままだとするならば、水面に魚の群れの死体が上がっていたことも疑問です?さらに、11月に起こった低い周波数の振動と同じくして起こった高い周波数のパルスをもたらしたものの正体もわかりません。

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マグマ溜まりの空洞が崩壊したことでマグマの波がお互いぶつかりあったというのが、考えられる説明の一つです。しかし、多くのデータが得られるまでは、これも一つの推測に過ぎません。

専門家たちにも、そもそもの火山活動が何故起きたのかについてはわかっていません。可能性のあるものとして、地震学者のステファン・ヒックスは、地殻プレートの移動、超高温マントル地帯、大地溝帯などを上げています。

論文はまだ査読されていませんし、地震波の原因については他の原因の可能性もあるとしていますが、現在得られたデータを最もうまく説明できるのが噴火活動です。

 

マヨット島には住民も居て、一体何が起こっているのか不安に思っています。将来避難が必要になるのかなど、はっきりさせるためにも、原因の特定は急務でしょう。また、前代未聞の現象であることから、その解明そのものも非常に興味深いものです。今後の進展に期待しましょう。

地球はものすごい勢いで大量の水を飲み込んでいる

referenced: Science Alert / written by SENPAI

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