史上初のブラックホール撮影を支えた、若き女性科学者とは

space 2019/04/11
Credit:edition.cnn
Point
■ブラックホール撮影の成功に大きく貢献した女性がいた
■ケイティ・バウマンさんは、ブラックホール画像化のためのアルゴリズムを作成
■アルゴリズムは、画像化のために集めた多くのデータ間のギャップを埋めることができる

世界を席巻した、ブラックホールの撮影成功のニュ−ス。「そんなにすごいの?」と思う人もいるかもしれませんが、研究者によると「月面上のミカンをスマホで撮影するようなもの」なんだとか。

そんな成功に、大きく貢献した1人の女性がいます。

ケイティ・バウマンさん / Credit:reddit

イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)のプロジェクトに参加した、カリフォルニア工科大学コンピュータサイエンス助教授のケイティ・バウマンさん。ブラックホール撮影に欠かせない、アルゴリズムの開発に携わった1人です。

しかもケイティさんが開発を始めたのは3年前で、まだマサチューセッツ工科大学の大学院生だったときのことなんだとか。彼女は一体どのような活躍をしたのでしょうか。

アポロ計画の科学者と共演?お茶目な一面も

ケイティさんは1989年5月9日生まれ。昔からとても几帳面で真面目だったそう。高校当時の担任であるフィル・ピュージーさんは「非常にテキパキとしたしっかり者で、ノートを見ても驚くほどの細かさでメモが取られていました」と話しています。

その後も順調にキャリアを重ね、今回のプロジェクトに抜擢されるまでに。そんなケイティさんを一躍有名にした写真がこちらです。

左側がケイティさんで、ブラックホールのデータが入ったハードディスクを山積みにしています。そして右側がアポロ計画を支えた科学者マーガレット・ハミルトンで、同じようにアポロ計画に関するデータを鬼のように積み上げています。

偉大な宇宙計画に関わった2人の科学者が、まるで世代を越えてリンクしたようですね。そのお茶目な笑顔には何か似たものを感じます。

ブラックホール画像化のためのアルゴリズムをつくる

今回撮影されたのは、地球から5500万光年にある楕円銀河M87の中心にある超大質量ブラックホール。ブラックホールは目に見えないものですが、周囲にあるガス物質を非常に強力な重力で引きつけて影を作ります。そこを狙って撮影するという、困難きわまりないプロジェクトなんです。

ケイティさんは、2016年に行われたTEDトークでも、ブラックホールの撮影方法を詳しく話しています。そのときの様子が下の動画です。

EHTプロジェクトチームは世界にある6ヶ所の電波望遠鏡を使って同時にブラックホールを観測し、そのデータを集めて画像化を試みました。多くのデータを集めたにもかかわらず、実際とは異なる画像になったりとまだ大きなギャップがあったそうです。

そこでケイティさんは、取り集めたデータをつなぎ合わせてギャップを埋めることのできるアルゴリズムを作ったのです。そして見事にブラックホールの正確な画像化に成功しました。

Credit:edition.cnn

そして日本を含む他の2つの国でも違う方法で画像化を行なった結果、同じブラックホール像が確認されており、画像の信頼性も大きく高まっています。今回の成功を受けて、ケイティさんは「1人では到底不可能な偉業で、あらゆる分野の人たちが一丸となったから達成できた」とあくまでも謙虚。すごい才能を持ちながら決して驕らない一面に、チームの雰囲気の良さも垣間見えますね。

 

今でこそ少ない女性科学者の割合。しかし今回の活躍を受け、今後ますます男女関係なく活躍の舞台が広がることが期待されます。

「地球サイズ」の望遠鏡!?ついにブラックホールの直接画像を撮影!

reference: edition.cnn, heavy / written & text by くらのすけ

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