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2次元でも生命は存在できる! 物理学者が新説を発表 (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2019.06.28 Friday

前ページ次元ってなんなんだ?

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なんでわざわざ2次元を考えるのか?

それにしても、物理ではたびたび異なる次元の話が登場するが、そもそも2次元宇宙とか考える必要があるのだろうか?

そうした疑問に答えるのが、最近よく話題に上るホログラフィー原理だ。

1万円札のホログラム / Credit: 国立印刷局

ホログラフィーとは、お札やクレジットカードに印刷してあるモヤッと浮き出るシールのことだが、別にこれは「Nintendo 3DS」の画面と言っても意味は同じだ。2D画面上のものが3Dに飛び出して見えるのは、2D上に3D情報が保存、表示可能だからだ。

こうしたホログラムとか、3DSみたいに、現実世界も実は3次元に見えているだけで、本当は2次元に張り付いた情報を見ているだけなのではないか? というのがホログラフィー原理の考え方だ。

真面目に考えると、なんだか馬鹿馬鹿しい理屈に聞こえてしまうが、この理論が言いたいことは、3次元空間の情報が全て2次元空間とデータ連携可能ということだ。

Credit: gungho

ソシャゲはデータ連携しておくと、別の環境でゲームを起動しても、同じデータを使って遊ぶことができる。2次元と3次元の間でも大事な情報を連携して保持しておくことができるため、現象を説明するために利用可能だというのだ。

なんでこんな珍妙な考え方を物理学者たちがするのかというと、次元を減らした方が考えるのが楽になる場合があるからだ。

現在物理学における大問題が、「重力が何なのかはっきりしていない」ことだ。マクロな世界で重力の影響を記述している一般相対性理論と、ミクロな世界を記述する量子論はまとめて語ることができない。

ホログラフィー原理は、以前ナゾロジーでも紹介したホーキング放射や、超弦理論などの複雑な理論によって導き出されたものだ。しかしこの原理を用いて3次元空間の情報を2次元空間へ移動させれば、量子論について重力を考慮せずに考えることが可能になる。

というより、一般相対性理論は2次元では機能しないため、重力の影響を考えずに量子論の話ができるようになるのだ。

これは重力の問題を量子論と絡めて考える場合に、非常に有効な手段になる。

なるほど、わからん! となってしまうが、こうした記事で難しい科学の話をするときも、余計な情報を取り払って次元を落とすことで、いくらかわかりやすく伝えられるようになる。

物理学が次元を減らしたりして物を考えるのは、複雑なものをどれだけ単純化できるか考えた末と思っておけばいいだろう。

次ページ次元を落として考える

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