連続殺人犯の「完全犯罪」を見抜いた、検察官の「特殊能力」とは

science_technology 2020/01/01
Credit:usatoday
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  • 看護師であるドナルド・ハーヴェイは、薬物を使って患者を37人殺害した
  • シアン化合物を嗅ぎ分けられる検査官によってハーヴェイの殺人が明らかに

1987年4月6日、看護師のドナルド・ハーヴェイという人物が、殺人事件の容疑で逮捕されました。

彼には37名の殺人に対する有罪判決が下されましたが、実際には17年間にわたって50人もの人を殺したとも告白しています。

彼がここまで多くの人間を殺せた理由に、「看護師」という立ち場を利用したことが挙げられるでしょう。

この長きに渡る犯行はしかし、1人の特殊な能力を持った医学検査官がきっかけで終結します。

彼にはシアン化合物を嗅ぎ分ける遺伝的能力があったため、殺人に用いられたシアン化合物を見分けることができたのです。

「死の天使」と呼ばれる連続殺人鬼

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ドナルド・ハーヴェイは看護師という立場を利用して、患者たちにヒ素やシアン化合物、インスリンなどを注入して殺害するようになりました。

彼が長年にわたり逮捕されなかったのには理由があります。治療のために用いる薬物を用いることで、死亡原因の特定を難しくしていたのです。

特にインスリンによる殺人の証明は難しいとされています。一般的なインスリン測定は、致命的なインスリン投与量を証明するほど感度が高くありません。加えて、死後すぐに採血しないなら、体内のインスリンは消滅してしまい、証拠すら残らないのです。

シアン化合物を嗅ぎ分ける検査官

長年、殺人を続けてきたハーヴェイですが、逮捕のきっかけとなったのは、一人の検査官でした。

数か月の生命維持を受けていた患者が死亡した際、彼を検査した医学検査官が不思議な匂いに気付いたのです。

シアン化合物にはわずかな匂いがありますが、これを感じ取ることができる人は限定されます。遺伝的にシアン化合物のニオイを感じない人は多いのです。

たまたま検視官にその能力があったため、異常に気付くことができました。検査の結果、患者が毒殺されたことが分かり、ハーヴェイの逮捕に繋がったのです。

Credit:Wikipedia

ハーヴェイは裁判の結果、終身刑を宣告され服役していましたが、2017年3月に他の囚人に殴打され死亡しました。

現在でも、ハーヴェイのように医療関係者であることを利用した事件は起こっています。私たちも「死の天使」の餌食とならないよう、信頼できる病院を選びたいものです。

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reference: usatoday / written by ナゾロジー編集部

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