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冷戦期のスパイが残した「旧ソ連の無線機」がドイツの森で発見される (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.02.20 Thursday

前ページ東西冷戦期に持ち込まれた

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忘れ去られた無線機

調査の結果、無線機は非常に性能が高く、半径1200キロの範囲ならメッセージの送受信が可能だと判明しました。

この距離は、西側のケルンから、当時ソ連側に属していたポーランドのワルシャワに十分届く距離です。

しかし、この無線機が使われることはありませんでした。このことから、この無線機は、他に使用されていた無線機の予備だった可能性も考えられます。

結局、冷戦は終わりを向かえ、無線機はそのまま土の中で忘れ去られたのでしょう。

画像
「R-394KM」の詳細図面/Credit:cryptomuseum

このまま事件は闇の中と思いきや、研究チームの調査により、無線機を準備した人物を暗示するヒントが見つかっています。

というのも、発見された無線機には、他の「R-394KM」に見られるキリル文字(ロシア文字)の印字がなかったのです。その代わりに、英語で使われるローマ字が印字されていました。

これは無線機が、ロシア人のためでなく、英語話者のために作られたことを示します。この点から、ソ連が準備したものではない可能性も浮上しますが、もちろん、ソ連側があえて印字したカモフラージュとも取れるでしょう。

しかし、埋められてからかなりの時間が経過しているため、これ以上の秘密が明かされることはなさそうです。

無線機は、現在、ドイツ・ボンにあるLVR-ライン州立博物館にて展示されています。

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reference: livescience / written by くらのすけ

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