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マヒ患者の運動能力と触覚が新技術で回復!触覚の情報コード化に成功 (3/4)

2021.01.28 Thursday

2020.05.04 Monday

前ページコードを循環させて運動能力と触覚の両方を回復させる

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コード化の鍵となったのは知覚以下の神経活動

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知覚域未満の神経接続の存在が発見され、半数の麻痺患者には僅かな皮膚と脳の神経のつながりがあった/Credit:Cell

これまで、麻痺患者から触覚コードを生成するのは不可能だと思われてきました。

多くの麻痺患者は手足の触覚が運動能力と共に失われていたため、皮膚刺激と脳の反応が結びつかず、コードも解読できないと考えられてきたからです。

しかし最新の研究によって、約半数の麻痺患者は、僅かに皮膚と脳の神経接続が残っていることがわかりました。

彼らが自分の手足の感覚が「麻痺」していると思っていたのは、残った神経接続の強度が、脳が自覚できる限界値を下回っていたからだったのです。

実際、これら半数の麻痺患者の手足に皮膚刺激を行うと(患者には自覚がないものの)患者の脳では触覚の領域が反応していることが判明しました。

そこで研究者は、この自覚未満の僅かな神経活性に目をつけました。

これらの僅かな神経接続から触覚を規定するコードを解読・生成し、患者が自覚できるほどコードの出力を増幅し、脳に流し込むことができれば、麻痺患者に触覚が戻ると考えたからです。

触覚のコード化が実現した背景には、神経科学分野での新発見が大きく貢献していたのです。

次ページ全ての感覚をコード化する

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