15年に及ぶ電波エコーの調査で金星のコアのサイズが推定された
15年に及ぶ電波エコーの調査で金星のコアのサイズが推定された / Credit:depositphotos
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今までナゾだった「金星の正確な自転速度やコアのサイズ」が明らかに (3/3)

2021.05.01 Saturday

前ページ1日の時間が変化し続ける金星

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金星のコアのサイズ

金星の内部構造の断面図
金星の内部構造の断面図 / Credit:UCLA

今回の正確な自転速度に関する測定は、金星の内部構造がどのようになっているかのヒントを与えてくれています。

金星の1日が20分近く変動するという問題は、大気の影響が大きいとさきほど話しましたが、研究チームはもう1つの可能性についても疑っています。

それが、金星のコアによる影響です。

金星は地球とよく似た岩石惑星であり、その内部は地球同様に溶けたマントルと、中心部の鉄とニッケルの核(コア)であると推定されています。

今回の自転速度の変動を説明するために、金星のコアサイズを計算すると、その大きさは半径3500キロメートルであると明らかになりました。

これは以前に推定されている金星のコアサイズとほぼ一致しています。

しかし、今回はきちんとした測定値を利用して計算されており、金星のより正確な研究に役立つと期待できます。

ただ、金星のコアが個体なのか液体なのかは、現在のデータだけでは不明のままです。

金星のコアを正確に理解することは、惑星の歴史を理解する上で、重要な情報です。

「惑星の内部構造に関する、正確なイメージがない限り、惑星についてなにか理解することは非常に困難です」と、マーゴット教授は話します。

神秘のベールに包まれた金星の姿は、新しい観測技術によって少しずつはっきりと見えるようになっているのかもしれません。

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