命と性の操作には批判もある
今回の研究により、哺乳類のオスでも「子宮」と「妊娠中のメスの血液」があれば、受精卵を育てて妊娠・出産できることが示されました。
一方で、オスの子宮を使った妊娠・出産には危険性があることも示されます。
オスの子宮では妊娠後期に何らかの不具合が起きており、異常な胎児が産まれていたからです。
また残念ながら、妊娠後期の異常が「哺乳類のオスの妊娠」特有の現象であるかも不明です。
現時点においてオスの妊娠が達成されたのは本研究が唯一の事例であり、マウス以外の哺乳類を調べなければ一般化はできません。
研究者たちは今後、オスの妊娠についての研究を続け、性別を超えた生殖の仕組みを探っていくとのこと。
一方で、本研究についてはフランケンシュタインを産み出したに過ぎないという厳しい指摘も存在します。
生命と性を興味本位で操作するような研究には、成果があったとしても認めることができないようです。