ピスタチオの木が拷問果樹園での断水実験を生き残る
カリフォルニア大学デービス校の植物科学者であるパット・ブラウン氏は、拷問果樹園について次のように述べました。
「拷問果樹園の始まりは、秋に植えたピスタチオに夏の間水をやらなかったことです。
どの木が生きて、どの木が死ぬのか見極めようとしたのです。
そしてある意味、この実験は失敗しました。
ピスタチオの木は水が与えられなくても、1本も枯れなかったのです」
すべての実験の結果、ピスタチオの木が特に干ばつに強いと分かりました。
しかも干ばつに伴う土壌の塩分濃度上昇にも耐えることができたようです。

この結果は農家たちの希望になるかもしれませんが、現段階では、そのまま商業利用できるわけではありません。
なぜなら商業用のピスタチオには、ある程度の干ばつ対策が既に施されているからです。
一般的なピスタチオの木は、干ばつや塩害に強い品種の台木に、美味しい実をつける品種の穂木を接ぎ木するという工夫が取り入れられているのです。
しかし、まだ改良できる余地はあります。
現在、カリフォルニア州のピスタチオの台木には、たった6種類の品種しか利用されていません。
拷問果樹園の実験によって既存の6種類よりも干ばつに強い変異体を生み出せるなら、すべてのピスタチオが干ばつ問題から解放されるかもしれないのです。
実際ブラウン氏は、「もし水の使用量を5%減らせる変異体が見つかったなら、農家は水を購入する必要がなくなるでしょう」と述べました。