佐渡島で発見された新種キングギドラシリス
佐渡島で発見された新種キングギドラシリス / Credit:三浦 徹(東京大学)ら, Organisms Diversity & Evolution(2022)
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由来はあの怪獣 体が分岐する新種環形動物「キングギドラシリス」を発見

2022.01.21 Friday

体が分岐する環形動物の新種発見:佐渡島のキングギドラシリス https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2022/7691/
Ramisyllis kingghidorahi n. sp., a new branching annelid from Japan https://link.springer.com/article/10.1007/s13127-021-00538-4

新潟県の西部に位置する佐渡島は、日本海側最大の島であり、海産物の宝庫とも言える豊かな海に囲まれています。

そんな佐渡島の近海で、新種の環形動物(ゴカイ、ミミズ、ヒルなどの無脊椎動物グループ)が発見されました

東京大学大学院理学系研究科 附属臨海実験所に所属する三浦 徹(みうら とおる)教授ら研究チームが潜水調査により、体が尾部に向かって分岐するRamisyllis属の新種を見つけたのです。

これはまるで怪獣キングギドラのように分岐していることから、「キングギドラシリス(R. kingghidorahi)」と名付けられています

研究の詳細は、1月19日付の科学誌『Organisms Diversity & Evolution』に掲載されています。

日本で体が分岐する環形動物の新種が発見される

新しく発見されたキングギドラシリスは、環形動物Ramisyllis属の新種です。

Ramisyllis属は、体が枝分かれする奇妙な生物で、2006年にオーストラリア北部の浅海域で初めて発見され、2012年に「R. multicaudata」として正式に新種記載されました。

この生物については、最近になってようやく内部構造が明かされ、昨年その論文が発表されています。

このR. multicaudataに関する研究については、下記の記事で紹介しているので、興味のある人はこちらを参照してください。

迷路のような体の怪生物「海ワーム」の構造を初解明! 枝分かれと同時に、内臓も分岐していた

とはいえ、体が分岐する動物の例は非常に少なく、未解明な部分が多くあります。

新種の発見報告もないため、研究は完全に停滞していました。

ところが2019年10月、三浦氏ら研究チームの潜水調査によって、日本の新潟県佐渡島南部の宿根木(しゅくねぎ)町付近の海から、体が分岐するRamisyllis属が見つかったのです。

新種が発見された佐渡島の宿根木町付近
新種が発見された佐渡島の宿根木町付近 / Credit:三浦 徹(東京大学)ら, 体が分岐する環形動物の新種発見:佐渡島のキングギドラシリス(2022)

採集された個体を分析した結果、オーストラリアで発見されたR. multicaudataと類似点はあるものの同一ではなく、近縁の新種であることが判明

その特徴から有名な怪獣にちなんで、キングギドラシリス(学名:Ramisyllis kingghidorahi, またはR. kingghidorahi)と名付けられました

では、新種キングギドラシリスにはどんな特徴があるのでしょうか。

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