骨密度の調査からスピノサウルスが水中に適応していたと判明
骨密度の調査からスピノサウルスが水中に適応していたと判明 / Credit: Davide Bonadonna | Scientific Illustrator
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「スピノサウルスは水中を泳げた」ことが判明! 決め手は骨の密度

2022.03.24 Thursday

Dense bones allowed Spinosaurus to hunt underwater, study shows https://phys.org/news/2022-03-dense-bones-spinosaurus-underwater.html Spinosaurus bones hint that the spiny dinosaurs enjoyed water sports https://www.popsci.com/science/spinosaurus-swimming-bone-density/
Subaqueous foraging among carnivorous dinosaurs https://www.nature.com/articles/s41586-022-04528-0

スピノサウルスは、約1億50万〜9390万年前の白亜紀半ばに、今日のアフリカ大陸に生息していました。

全長10〜18メートル、体重6〜9トンと推定される、史上最大級の肉食恐竜です。

一方で、その狩りの仕方は、何十年もの間、終わりのない議論の的となっています。

一番の争点は、彼らが「水中を泳げたかどうか」です。

これまでの調査は、スピノサウルスの断片的な化石をもとにした”解剖学的アプローチ”がメインとなっています。

しかし、骨格だけをヒントに、絶滅した恐竜の行動を明らかにするのは至難のワザでした。

そこでフィールド自然史博物館(Field Museum・米)らの研究チームは、「骨の密度」という別のアプローチから調査を開始。

その結果、スピノサウルスは、現存する水生動物と同じくらい骨密度が高く、潜水も難なくこなせたことが判明しました。

やはり、スピノサウルスは”水中のハンター”だったかも…?

研究の詳細は、2022年3月23日付で科学雑誌『Nature』に掲載されています。

「水辺で過ごしていた説」vs「水中を泳げた説」、どちらが正しい?

生命はすべて海から生まれた
生命はすべて海から生まれた / Credit: canva

すべての生命はもともと海で誕生し、次いで陸に進出しました。

しかし、陸に上がった脊椎動物の中には、再び水中生活に戻るか、半分ほど適応したグループがたくさんいます。

たとえば、クジラやアザラシは完全に水中暮らしに戻りましたし、カバやカワウソ、ビーバーなどは半水生です。

鳥類ではペンギンや鵜(ウ)、爬虫類ではワニ、ウミイグアナ、ウミヘビなどがあげられます。

その中にあって、非鳥類型恐竜(鳥類に分岐しなかった恐竜)だけが、長い間、水棲動物を持たないグループとされていました。

2020年時点のスピノサウルスの生体復元画
2020年時点のスピノサウルスの生体復元画 / Credit: ja.wikipedia

ところが、2014年に見つかった新種のスピノサウルスの骨格により、この考えが一変します。

その標本は、鼻孔が引っ込んでいて、後ろ足が短く、パドルのような足とヒレのような尾を持っていました。

これらはすべて、「水中生活に適応した生物」の特徴です。

それ以前にも専門家は、ワニのような細長い口先と、お腹の中に見つかった魚の骨から、スピノサウルスが水辺で暮らしていたことを知っていました。

しかしその時点では、水辺にたむろしていたか、せいぜい浅瀬に入っていただけと考えられていたのです。

これ以降、専門家の意見は、スピノサウルスが「水辺で過ごしていた説」「水中を泳げた説」とで二分されてしまいます。

一体、どちらの説が正しいのか。

今回、研究チームがとったアプローチと、その結果を次に見ていきましょう。

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