化石を発見したのは11歳の少女!
魚竜の化石は2020年5月に、英サマセット州ブルーアンカー(Blue Anchor)の海岸で発見されました。
化石を見つけたのは一般男性のジャスティン・レイノルズ(Justin Reynolds)さんと、その娘で当時11歳のルビー(Ruby)さんです。
巨大な骨の断片を見つけた彼らは何か重大な発見をしたことに気づき、マンチェスター大学の古生物学者であるディーン・ロマックス(Dean Lomax)氏に連絡を取りました。
化石を見たロマックス氏は大変な驚きを覚えるとともに、2016年5月に同じサマセット州の海岸で発掘されたある化石のことを思い出します。
それはベテラン化石コレクターのポール・デ・ラ・サール(Paul de la Salle)氏によって発見された魚竜のアゴの骨で、レイノルズ親子が見つけたものと非常に似ていたのです。
![親子が見つけたアゴ骨とサール氏が見つけたアゴ骨(左からレイノルズ親子、サール氏、ロマックス氏)](https://nazology.net/wp-content/uploads/2024/04/1920_c.earlyphotowiththeteam-870x600.jpg)
サール氏の見つけた化石は魚竜のアゴの一部であり、それまでに知られていたどの魚竜のアゴよりも大きいことが分かっていましたが、他に証拠がないため、これが新種のものなのかどうかを見極めることができず、今日まで謎のまま置かれていたのです。
そこでロマックス氏は彼にも連絡し、レイノルズ親子と4人でブルーアンカーでの発掘調査を改めて行い、2022年10月までに「上角骨(じょうかくこつ)」と呼ばれるアゴの後部の骨を回収することに成功しました。
ロマックス氏は「今回の標本は以前に見つかったものより保存状態が良く、控えめに言ってとても興奮しました」と話します。
![アゴだけで2メートル以上あった!](https://nazology.net/wp-content/uploads/2024/04/47e093f5c5f120be6b1107fc9d15cfc3-900x214.png)
新たに見つかった骨の断片を元通りに配置すると、アゴの長さだけでも約2.3メートルあったと推定されました。
そして2016年に見つかったものと合わせて分析した結果、両者はともに2億年以上前に存在した同じ魚竜の新種であることが明らかになったのです。
驚くべきはその規格外のサイズでした。