触覚グローブの次は「触覚スキン」
今回の研究を発表した香港城市大学(CityU)は、2022年9月に繊細な触覚を伝えるVRグローブを発表(こちらは機械工学科のジャンバオ・ヤン氏らグループ)しています。
この触覚グローブも、電気刺激によって触覚をフィードバックを実現させており、細かく配置された電極によって解像度の高い刺激を手のひらに再現することができました。
ただ、あくまで室内でVRコンテンツを楽しむために設計されたものであり、常時装着するウェアラブルデバイスとしてデザインされていたわけではありません。
しかしこれからの時代は、VRだけでなく屋外で機能するAR技術に対して、触覚デバイスも対応する必要があると考えられます。
![AR技術はデバイスを衣服のように常時装着していることが求められる](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/f4205a7fc8c643dc3b86b8c5b1e653d7-2.jpg)
例えば、AR表示された画面を操作したときの感触や、あるいはポケモンGOの様なアプリで「散歩中に公園で遭遇したポケモンに触る」といった感触を身につけたデバイスで再現する必要があるのです。
現在ARを「見る」ことに関してはスマートグラスというウェアラブルデバイスが存在しています。
しかし「触る」行為に関しては、それを実現する様なデバイスはまだありません。
![外で利用するには、「デバイス全体の軽量化」「ケーブルの排除」「スマートな見た目が」が必須](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/12/FireShot-Capture-1038-16-CityU-researchers-develop-wireless-ultrathin-Skin-VR-YouTu_-www.youtube.com_-900x432.jpg)
このためにはVRグローブ用のようなものを、外で身に着けていても恥ずかしくなく、そもそも装着していることさえ忘れるような触覚デバイスへと進化させる必要があるのです。
そこで今回、生物医学工学科に所属するユウ・シン氏ら研究チームは、まるで皮膚のような触覚スキンを開発することにしました。