紙のカレンダーは質の高い予定を立てることができ、計画の達成率が高い
紙のカレンダーは質の高い予定を立てることができ、計画の達成率が高い / Credit: Unsplush
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紙のカレンダーの方が質の高い予定を立てられ、計画の達成率が高い (2/3)

2023.08.14 Monday

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紙のカレンダーは質の高い予定を立てることができ、計画の達成率が高い

紙のカレンダーは全体像を把握しやすく、質の高い計画を立てることができる
紙のカレンダーは全体像を把握しやすく、質の高い計画を立てることができる / Credit: Unsplush

研究チームは紙とスマホのカレンダーで予定の実行率に差が出たのは、紙のカレンダーの方が全体像を把握しやすく、質の高い計画を立てることができたからではないかと考えました。

そこで実験2では、スマホのカレンダーを使用する人に、「全体ビュ―」を用いて、予定の全体像を把握し、他の予定との兼ね合いを意識するよう指示を出し、紙のカレンダーとの計画の質の違いを比較しています。

実験2に参加したのは、オンラインで募集した、家のリフォームをする予定のある一般人450名でした。

研究者らは、参加者を①紙のカレンダーを使うグループ、②スマートフォンのカレンダ―を使うグループ、③スマホのカレンダーを使う+予定を立てる時に全体ビューを使用するよう指示されたグループの3つに分け、家のリフォーム計画を立ててもらいました。

そして計画の質を評価するため、別で評価者を雇い、参加者が立てた計画がどれだけ詳細で具体的か、また現実性があるかなどを評価してもらいました。

結果、紙のカレンダーを使った人は、スマホのカレンダーを使った人と比べて、第三者評価でより質が高く、詳細な計画を立てることができていると評価されました。

また何も指示されずスマホのカレンダーで計画を立てた人よりも、スマホのカレンダ―で全体ビュ―を用いて計画を立てた人は、詳細な計画を立てることができていたことも確認されています。

この結果は、予定を立てる時に全体的な視点を持ち、他の予定の兼ね合いを考慮することを意識することが、デジタルのカレンダーの局所的な視点で予定を組んでしまうデメリットを和らげる方法として役立つことを示唆しています。

そして最後の実験3では、実験1のような自己申告ではなく、2週間で達成したいことを計画してもらい、実際の達成率を指標にしました。

実験3では、オンラインで募集した500名を対象に、①紙のカレンダーを使うグループと②スマホのカレンダ―を使うグループの2つに分け、自分で選んだ活動の2週間の計画を立て、どちらの方が計画達成率が高いかを比較しています。

結果、紙のカレンダーを使ったグループ(約43%)の方が、スマートフォンのカレンダーを使ったグループ(30.8%)よりも、計画の全体像が把握しやすいと回答し、計画達成率が高いことが分かりました。

これらの結果から、紙のカレンダ―は計画の全体像を考慮し他の予定との兼ね合いを考えやすく、計画の実行率が高いことが分かります。

次ページ全体像を把握しやすいと、質の高い計画を立てることができる

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