音声アシスタントの「声」を評価
音声アシスタントの「声」を評価 / credit:フォトAC
psychology

音声アシスタントは「自分と似たタイプの声」だと評価がよくなる (2/2)

2024.01.28 Sunday

前ページ声に外交的な印象があると評価が高くなる

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音声アシスタントが自分に似た声だと信頼できる?

配信などの「声」で信頼するケースもある
配信などの「声」で信頼するケースもある / credit:フォトAC

声が変わればVAへの信用が変化するか調べるために、ユニークな実験手法がとられました。

実験が行われていた当時誰もが話題にしていた「新型コロナウイルス」に関してVAと話した音声を流し、被験者がその話をどのように受け止めたか調査したのです。

この実験からは「利用者が好むVAの声質」について興味深い結果が得られました。

実験前、被験者のうち27%がコロナワクチンを打っていませんでしたが、自分に似た性質の声を使ったVAによる会話によって、そのうちの38%がワクチンに対する考えを変えたのです。

研究グループはこの結果に対し「自分と似た性質の声だとVAの話をより注意深く聞くようになる」可能性を示唆しています。

例えば、人は自分に似た性質を持つ友人やインフルエンサーなどを信頼し、その人の話は注意深く聞く傾向にあります。

このような現象がVAの音声に対しても起こっているのではないかと考えたのです。

まだこれは小規模な研究結果に過ぎませんが、VAの音声への評価が人によって異なり、話す内容の信頼性にも影響するという今回の結果は、多くのVAの音声が1つという現状を変えるきっかけになるかもしれません。

自分の声ではなく「自分と似たタイプの声」のVA

その人に合う音声アシスタントが生まれるかも
その人に合う音声アシスタントが生まれるかも / credit:Pixabay

ここまで紹介した研究では「自分と似たタイプの声」だと評価が高くなりましたが、概ね人は録音された自分の声を気持ち悪いと思う傾向にあります。

つまり「自分と似たタイプの声」と「自分の声」は異なるということでしょう。

普段聞いてる「自分の声」は頭蓋骨などに響く骨伝導なども含まれたものですが、録音音声など客観的な声は音のみであるため、主観的な「自分の声」と異なるのだそうです。

この乖離が違和感につながり、苦手に感じる人が多いと言われています。

今回実験で得られた「自分に似たタイプの声」は、自分の性格とVAの声を別々に評価し、VAに対する印象と、事前申告した自分の性格との一致度が高いものを示します。

そのように考えると、この「自分に似たタイプの声」は主観の自分の声に近い声なのではないでしょうか。

もし持ち主の声から逆算して主観の声が割り出すことができたら、それぞれの使用者にマッチングした評価の高いVAが生まれるかもしれませんね。

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