「愛」の科学。人間が愛を感じるとき体では何が起こっているの?

biology 2018/06/30

「愛」を構成する3つの要素

Credit: sitn

「愛」とは一体何でしょう?

もし「愛」に「公式」が存在するのであれば、それは一体どのような式になり、どのような意味を持つのでしょうか?

人類学から神経科学に至るまで、あらゆる分野の科学者たちは、長年その「問い」にチャレンジしてきました。しかし、その明確な答えはいまだにわかっていません。

「公式」が分かったわけではありませんが、ラトガース州立大学のヘレン・フィッシャー博士の研究チームによれば、ロマンティックな「愛」は3つの要素に分類できるようです。1つ目が「性欲」、2つ目が「魅力」、3つ目が「愛着」です。そして、それぞれに対応する脳内ホルモンが分泌されています。

あなたが「愛」を感じているとき、脳や体でどのような反応が起こっているのでしょうか?3つの要素について、ホルモンを中心に科学的に考察していきましょう。

要素 No.1「性欲」

「性欲」は、当然ながら繁殖行動のための欲望です。私たちがこれからも長きに渡って子孫を残していくために必要なものであるといえます。

性欲に関しては、脳の「視床下部」が大事な役割を担っています。この視床下部が、精巣や卵巣から分泌される「テストステロン」や「エストロゲン」といった性ホルモンのコントロールをしているのです。

男性ホルモンとして有名な「テストステロン」は、実は女性の中にも存在しており、テストステロンの値が高まれば、男女どちらにおいても性欲が高まることが分かっています。

要素 No.2「魅力」

人間は当然「魅力」を感じた相手に「性欲」が湧いてくるわけですが、「魅力」は脳の「報酬」を感じる部分に関連しており、この2つは分けて考える必要があります。

ここでも、脳の「視床下部」が大きな役割を果たします。視床下部ホルモンである「ドーパミン」が、特に脳の「報酬」に関する神経経路と大きな関わりを持っているのです。

誰かに「魅力」を感じているとき、高いレベルの「ドーパミン」や、それに関わる「ノルアドレナリン」が分泌されています。恋をして眠れなくなることもありますが、それはこのノルアドレナリンが原因です。ノルアドレナリンは「闘争か逃走反応」にも関連しており、「恋」と「警戒」のドキドキは似ていることがわかります。

さらに、「魅力」を感じることは「食欲」や「気分」と関わるホルモンである「セロトニン」の減少につながっています。また、興味深いことに「強迫性障害」に苦しむ人々のセロトニンの数値が低いことも分かっており、魅力には「苦しみ」が伴う可能性が示唆されているのです。

要素 No.3「愛着」

「愛着」は、長期間の関係を維持するために不可欠なもの。前の2つのロマンティックな関係を形成するものではなく、どちらかといえば「友情」や「絆」といったものに近いといえます。ここで登場するホルモンは「オキシトシン」と「バソプレッシン」です。

「愛情ホルモン」として知られるオキシトシンは、セックスや授乳の際に視床下部から多く分泌されます。また、出産の際の痛みを和らげる効果もあり、これらが「愛情ホルモン」とよばれるゆえんです。

そして、男性の体で多くみられるバソプレシンも「父性愛」のホルモンとして知られていますが、バソプレシンはオキシトシンとは異なり、愛する妻や子どもを守るために「攻撃性・行動力を高める」といった作用を持っています。

 

このように、「愛」には多くのホルモンが関わっていることがわかっています。ポジティブな効果をもたらすホルモンが多いとはいえ「愛」を無条件で肯定することはできません。ときに愛は「嫉妬」や「不安」などのネガティブなエネルギーを発生させることもあるのです。

冒頭でも述べたように、愛には公式がありません。付き合い方によって天使にも悪魔にもなりうるパートナーであるといえるでしょう。しっかりとポジティブな定義付けができるように、ステキな「愛の対象」を見つけることが重要であるといえます。

 

もし動物と性行為をしたらどうなるの?

 

via: sitn / translated & text by なかしー

 

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