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「嘘つきな子ども」ほど認知能力が高いことが判明

2021.01.27 Wednesday

2018.09.17 Monday

Point
・嘘のつき方を学ぶことで、認知能力が向上する可能性が明らかになった
・嘘をつくことは正常な成長過程の一部なので、早い時期に嘘をつきはじめる子どもほど認知能力が高い
・嘘をつくには自己制御と心の理論という二つのスキルが必要である

嘘は泥棒どころか、「認知能力の始まり」かも?

トロント大学のオンタリオ教育大学院の研究で、嘘のつき方を学ぶことで認知能力が向上する可能性が明らかになりました。また、嘘をつきはじめる時期が早い子どもほど「認知能力が高い」傾向があるようです。

研究は中国、シンガポール、米国の研究者たちと共同で行われ、中国の幼稚園児42名を対象にある実験を行いました。平均年齢は3歳4ヶ月で、2つのグループに分けられました。男女の数は各グループで同数です。子どもたちは4日間にわたり「宝隠し」ゲームを行い、自己制御や「心の理論(他人の意図や感情を読み取り理解する力)」が測られました。

ゲームの内容は、子どもたちがポップコーンなどのおやつをどちらかの手に持ち、大人から隠すというもの。大人たちは子どもがおやつを持っていそうな方の手を選びます。子どもはうまく大人を騙せれば、ポップコーンを手に入れることができます。

子どもたちは最初誰も嘘のつき方を知りませんでしたが、一つ目のグループのみ、ゲームに勝つための嘘のつき方を事前に教わりました。もう一方のグループは教わっていません。

このゲームの結果、嘘で他人を騙す方法を教わった子どもたちは、それを知らない子ども達よりゲームに成功する確率が高いことが示されました。この発見は、一見するとネガティブな人間の社会行動が、それが目的達成のために必要な時には認知的利益をもたらす可能性があることを裏付けています。

「嘘をつくことは正常な成長過程の一つなので、早い段階で嘘のつき方を学んだ子どもはそれだけ認知能力が高いということです。嘘をつくのに必要な、自己制御と心の理論という二つのスキルは、人間が社会で生き残るために必要な基本的認知能力なのです」と、研究に携わったリー教授は語っています。

といっても、もちろん子どもに「嘘をつきなさい」という必要はありません。もしあなたの子どもが生まれてはじめての嘘をついた時には、叱らずに、嘘をついた理由をしっかり聞いてあげてくださいね。

すぐに怒るのはNG! 子どもが「嘘」をつく8つの理由

via: medicalxpress / translated & text by まりえってぃ

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