酒は百薬の長ではなかった。少量の飲酒が死亡リスクを高めるという研究

life 2018/10/22

Point
・一日1〜2杯のアルコールを週に4回以上摂取する人は、週に3回以下しか摂取しない人と比べて、死亡リスクが20パーセント上昇することが分かった
・少量の飲酒は心血管の健康改善に役立つ可能性があるものの、ガンのリスクを高める
・特に、すでに死亡リスクが高まっている高齢者は、飲酒による健康被害を受けやすい

酒は百薬の長ではないかもしれません。

「お風呂上がりの一杯」を毎日の生きがいにしている方にとっては残念なニュースですが、毎日の飲酒はたとえ少量であっても身体に悪い可能性が最近の研究で明らかになりました。

研究を行ったのはワシントン大学医学部のサラ・ハーツ氏ら。一日1〜2杯のアルコールを週に4回以上摂取する人は、週に3回以下しか摂取しない人と比べて、早死のリスクが20パーセント上昇することを発見しました。論文は、雑誌Alcoholism: Clinical & Experimental Researchに掲載されています。

Daily Drinking Is Associated with Increased Mortality
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/acer.13886

研究チームは、国民健康調査に参加した18〜85歳の340,668名と、復員軍人病院に訪れた40〜60歳の外来患者93,653名、あわせて約40万名の米国人を対象に調査を行い、被験者の心臓病とガンのリスクを評価しました。その結果、アルコール摂取は心臓病のリスクを減らす場合があるものの、毎日の飲酒はガンのリスク、ひいては死亡リスクを高めることが明らかになりました。

しかも死亡リスクの上昇は、すべての年齢層に一貫して見られました。「週に4日ほどの頻度で1〜2杯のアルコールを摂取することは心臓病の防止に役立つように見えますが、毎日の摂取はこの利点を消してしまいます。また、ガン発生のリスクという点では、少量のアルコール摂取でも有害です」と、ハーツ氏は説明しています。

これまでは一日1〜2杯の飲酒は問題がないどころか、むしろ健康に良いとさえ信じられてきたのに、少量の飲酒でも健康被害をもたらすことが分かったのです。少量のアルコール摂取は心臓や血管の健康改善に役立つ可能性があるとはいえ、その利点よりも危険の方が上回るようです。

過去に医学雑誌The Lancetに掲載された別の研究では、身体にもっとも良いアルコール摂取量は「まったく飲まないこと」だと結論づけられていました。この研究が軽くお酒をたしなむ人から大量に飲む人まで様々な飲酒タイプを対象にしていたのに対し、ハーツ氏らの新しい研究は一日に1〜2杯ほどのお酒を軽くたしなむ人だけに焦点を絞っているため、少量の飲酒であっても害があることをよりはっきりと裏付けたといえます。

死亡リスクが20パーセント上昇することは、特に高齢者にとって深刻な問題です。その他の要因ですでに死亡リスクが高まっている70代の高齢者が、飲酒がもたらす死亡リスク上昇の影響を、20代の若者よりもずっと強く受けるのは当然のことです。

ハーツ氏は、医療ケアの個人向けカスタマイズ化が進めば、「家族に心臓病の既往歴がある人にはたまの飲酒を勧め、家族にガンの既往歴がある人には禁酒を勧める」といった患者個人の状況に応じた個別アドバイスが可能になると考えています。

 

いずれにしても、「酒は百薬の長」という言葉に安心して毎日の晩酌を楽しみにしていた方は、今日から飲酒の頻度を少しだけ減らした方が良さそうです。

 

via: sciencedaily / translated & text by まりえってぃ

 

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