与える喜びは受ける喜びより長続きすることが判明

life 2018/12/23
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Point
■他者に与える喜びは、他者から受ける喜びよりも長期間継続することが判明
■他者に与えることによって得られる幸福は、幸せな出来事に徐々に慣れ、幸福や感謝を感じられなくなる「快楽順応」が起きにくい
■他者に与える行動を幸せを導き出す唯一無二の出来事として経験し、社会的な繋がりが強化されるため、幸福感が長続きする

与うるは受くるより幸いなり—。このことを体験的に実感している人は多いのではないでしょうか?

人は嬉しいことが起きても、次第にそれに慣れてしまい、幸せや感謝を感じられなくなります。この「快楽順応」と呼ばれる現象は、私たちの幸福を阻害する要因の一つである一方で、私たちが新たな幸せの源を追い求めようとするための原動力にもなりえます。でも、誰かに与えてもらうのではなく、自らが他者に与えることによって得られる喜びは、「快楽順応」の適用を免れることができるかもしれません。与える喜びは受ける喜びよりも長期間継続することが、ある研究で示されたのです。

研究を行ったのは、シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのエド・オブライエン氏ら。2つの実験を通して、他者から同様の贈り物を連続して受け取った場合と比べて、他者に贈り物を連続して与えた方が、人の幸福感は低下しないか、または、低下してもその速度がずっと緩やかなことを明らかにしました。

自分のためにお金を使ったグループの幸福度がより早く低下

1つ目の実験は、96名の大学生を対象にしたもの。被験者らは、5日間にわたり1日につき5ドルを支給され、毎日そのお金を使うよう指示されました。彼らは、自分自身のためにお金を使うよう指示されるグループと、自分以外の誰かのために使うよう指示されるグループに、無作為に分けられました。前者は、お金を行きつけのカフェにチップとして毎日置いたり、同じ慈善団体に毎日オンライン寄附を行ったりするために使いました。被験者らは、自分の消費体験と総合的な幸福度についての振り返りを毎日行いました。

その結果、ある明確なパターンが見えてきました。実験を始めた時点では、両グループともに同程度の幸福度を報告していたのに、自分自身のためにお金を使ったグループでは、時間の経過にともなって幸福度が着実に低下したのです。これに対し、他者のためにお金を使ったグループでは、幸福度が低下しない傾向が明らかに。5日目の幸福度は、初日の幸福度とほぼ同程度に高いことが明らかになりました。

「結末」に目を向けると感受性を失う

2つ目の実験は、オンライン上で502名の被験者を対象にして行われました。被験者は全10問のワードパズルに取り組みます。1回勝つごとに5セントの賞金がもらえますが、被験者は賞金を自分のものにするか、慈善団体に寄附するかを自分で選ぶことができます。ゲームが終わるたびに、被験者は幸福度を報告します。実験結果からは、賞金を自分の懐に入れた被験者に比べ、寄附した被験者の方が、幸福感がずっと遅いスピードで減少することが明らかになりました。

こうした現象は、「他者に与える場合は、相手に何を贈るべきかを時間を掛けて吟味した分だけ、幸せが長続きする」というような理由でも説明可能かもしれませんが、「与えること」と「受けること」の間には一言では説明できない複雑な因子が絡んでいそうです。

オブライエン氏らは、お金をもらうなどの「結末」に目を向けた場合、人は結末同士を容易に比較して、それぞれの体験に対する感受性を失ってしまうのではないかと説明しています。これに対し、慈善団体への寄付といった「行動」自体に着目した時は、人はそれらを比較するのではなく、他者に与える個々の行動を幸せを導く唯一無二の出来事として経験するのでしょう。また、他者に与えることには、人が向社会的な評判を保ち、社会的な繋がりや所属意識を強化する役割もあるため、幸福に順応する速度が遅くなるのかもしれません。

この発見は、「大金を誰かに与えたり、もらったりする時にも同じことが当てはまるのか?」、「友人に与える時と、赤の他人に与える時ではどう異なるのか?」、「お金では買えない『名誉』などの報酬の場合にはどうか?」といった新たな疑問を、私たちに投げ掛けてきます。

 

クリスマスプレゼントにお年玉…と、年末年始は誰かに贈り物をする機会がいっぱい。相手が喜んでくれる顔を思い浮かべながら、贈り物を吟味し、準備する時間は、それ自体が愉しいものです。さらに、そのことが相手も自分も幸せにし、しかも幸せな気持ちがずっと続くなんて…素敵ですね!

 

幸せが訪れる人の10の心がけ

 

referenced: psychologicalscience / written by まりえってぃ / edited by Nazology staff

 

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