psychology

与える喜びは受ける喜びより長続きすることが判明 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2018.12.23 Sunday

前ページ自分のためにお金を使ったグループの幸福度がより早く低下

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「結末」に目を向けると感受性を失う

2つ目の実験は、オンライン上で502名の被験者を対象にして行われました。被験者は全10問のワードパズルに取り組みます。1回勝つごとに5セントの賞金がもらえますが、被験者は賞金を自分のものにするか、慈善団体に寄附するかを自分で選ぶことができます。ゲームが終わるたびに、被験者は幸福度を報告します。実験結果からは、賞金を自分の懐に入れた被験者に比べ、寄附した被験者の方が、幸福感がずっと遅いスピードで減少することが明らかになりました。

こうした現象は、「他者に与える場合は、相手に何を贈るべきかを時間を掛けて吟味した分だけ、幸せが長続きする」というような理由でも説明可能かもしれませんが、「与えること」と「受けること」の間には一言では説明できない複雑な因子が絡んでいそうです。

オブライエン氏らは、お金をもらうなどの「結末」に目を向けた場合、人は結末同士を容易に比較して、それぞれの体験に対する感受性を失ってしまうのではないかと説明しています。これに対し、慈善団体への寄付といった「行動」自体に着目した時は、人はそれらを比較するのではなく、他者に与える個々の行動を幸せを導く唯一無二の出来事として経験するのでしょう。また、他者に与えることには、人が向社会的な評判を保ち、社会的な繋がりや所属意識を強化する役割もあるため、幸福に順応する速度が遅くなるのかもしれません。

この発見は、「大金を誰かに与えたり、もらったりする時にも同じことが当てはまるのか?」、「友人に与える時と、赤の他人に与える時ではどう異なるのか?」、「お金では買えない『名誉』などの報酬の場合にはどうか?」といった新たな疑問を、私たちに投げ掛けてきます。

クリスマスプレゼントにお年玉…と、年末年始は誰かに贈り物をする機会がいっぱい。相手が喜んでくれる顔を思い浮かべながら、贈り物を吟味し、準備する時間は、それ自体が愉しいものです。さらに、そのことが相手も自分も幸せにし、しかも幸せな気持ちがずっと続くなんて…素敵ですね!

幸せが訪れる人の10の心がけ

referenced: psychologicalscience / written by まりえってぃ / edited by Nazology staff

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