異分野コラボ。完璧なパンケーキの作り方から緑内障手術のヒントが得られる

life 2019/03/10

Point
■美しいパンケーキを作る方法から、緑内障の外科手術の技術向上に関するヒントが得られた
■目とパンケーキには、物理学上の共通点がある
■小麦粉に対する水分量を指すベーカーズパーセントを175にすれば、水分が円滑に抜けて、均等に焼き色がつく

みんな大好きパンケーキ。

手作りパンケーキには、クレーターのような模様が入ったり、縁に沿って輪のような焦げ目が入ったりすることがよくあります。「手作りならでは」といえばそのとおりですが、たまにはパーフェクトなパンケーキを焼いてみたくありませんか?

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究チームが、美しいルックスを備えたパンケーキを作る方法を示しました。そしてなんと、その仕組みを理解することで、緑内障の外科手術の技術向上に役立つそうです。

パンケーキと緑内障…?月とスッポンほどにかけ離れたワードの組み合わせに戸惑ってしまいますが、実は私たちの目とパンケーキには、物理学上の共通点があるのだそうです。

「縦横比」と「ベイカーズパーセント」

パンケーキの分析を理解するには、いくつかの用語を知っておく必要があります。まずは、生地の体積をパンケーキの直径で割った「縦横比」。縦横比が小さいほど、パンケーキは厚くなります。また、小麦粉に対する水分量を表す「ベイカーズパーセント」も重要です。ベイカーズパーセントが高いほど、生地はゆるくなります。

研究チームは、世界中から集めた14種類のパンケーキのレシピを比較。その結果、レシピによってパンケーキの縦横比が大きく異なることが明らかになりました。たこ焼きに似た丸い形を持つオランダの伝統的なパンケーキの一種「ポッフェルチェ」は、縦横比3です。これに対して、クレープの縦横比は300と、大きな違いです。

Credit: gizmodo / ポッフェルチェ

一方で、ベイカーズパーセントは縦横比ほど大きく異ならず、100〜255の範囲に収まったものの、焼き色の付き方に興味深い差をもたらしました。ベイカーズパーセントが低いと、パンケーキの表面にクレーターのような模様が生まれます。

生地を加熱すると、中の水分が蒸発しますが、生地の粘度が高すぎるとその水分が閉じ込められてしまいます。上に向かおうとする水分が生地に捕らえられた結果、クレーターができるのです。

その反対に、ベーカーズパーセントが高すぎると、パンケーキの周りに黒い輪ができるだけでなく、全体に焦げたスポットができ、無数の小さな穴が空いてしまいます。

これは、生地の水分量が多すぎるため、中の水分がすぐに蒸発し、火が強くなくても生地が焦げるからです。

研究チームは、理想的なベーカーズパーセントが175であることを突き止めました。このルールを守れば、水分がスムーズに逃げるので、均等に焼き目がつくのだそう。また、極小サイズのパンケーキでは、生地の厚みに関係なく、同じ効果が期待できるようです。

パンケーキと目の物理学的共通点

完璧なパンケーキの作り方が分かったところで、それがどう目と関係あるのでしょうか?緑内障は、眼球内の水分が増え、外に排出されなくなることで生じる病気です。

圧迫された視神経が徐々に傷つき、失明の原因になります。緑内障の外科手術では、眼球内に溜まった房水 (Aqueous humour) をどうやって抜くかが鍵になりますが、パンケーキの生地の内部の水分が薄い膜を通して抜ける仕組みを理解すれば、そのヒントが得られるというわけです。

Credit: University Collage London

パンケーキと目にそんな共通点があったなんて、びっくりですね。手術で失敗するわけにはいきませんが、パンケーキならいくらヘマをしても大丈夫。研究チームは試行錯誤を重ねつつ、私たちの視力を守るための調査を日夜推めています。

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reference: gizmodo / translated & text by まりえってぃ

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