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熱々のお茶は要注意! 最適な「ゴールデン温度」が明らかに

2021.01.27 Wednesday

2019.03.31 Sunday

Credit: Visual hunt
Point
■熱い飲み物を飲む際の最適温度は60℃以下だと判明
■60℃を越える温度の紅茶を好む人は、60℃以下の紅茶を好む人と比べて、食道がんの発症リスクが2倍近くに
■「飲む前に数分間冷ます」という小さな心掛けが大切

生活習慣としてぜひ取り入れてみたいお茶の作法です。

コーヒーや紅茶などのホットドリンク。熱々の湯気が立ち上る一杯は、気持ちをリフレッシュされてくれます。WHOは、食道がんのリスクを減らすために、熱い飲み物を飲む前には少し冷ますことを推奨しています。でも、具体的にはどれくらい冷ませばよいのでしょうか?
ある国際チームによる調査で、熱い飲み物を飲む際の「ゴールデン温度」が客観的に示されました。それによると、飲み物の最適温度は、60℃以下とのこと。人の皮膚が何かに触れた時に不快感を覚える温度が50℃近くであることを考えれば、決して悪いニュースではありません。論文は、雑誌「International Journal of Cancer」に掲載されています。

A prospective study of tea drinking temperature and risk of esophageal squamous cell carcinoma
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ijc.32220

初の客観的大規模調査をイラン北東部で実施

飲み物の温度ががんの発症リスクに影響を与えることを示す研究は数多くあります。その仕組みははっきり分かっていませんが、喉の細胞が熱湯にさらされてダメージを受けることが原因ではないかと考えられています。

Credit: pixabay

従来の研究は、人々に好みの温度を尋ねる方法がほとんどでしたが、客観的かつ具体的な数値を得るのは困難でした。一方で、WHO国際がん研究機関などの公的機関は、動物実験だけを頼りに最適温度の上限は65℃だと提唱してきました。

そこで今回、この研究チームはイラン北東部のゴレスターン州で調査を実施することに。この地域には、紅茶文化が深く根付いており、食道がんの発生率が比較的高いことから、すでに科学調査の対象地域として定着しています。しかも、結果に影響を与えかねない飲酒・喫煙習慣を持つ人が少ないことも好都合でした。

次ページ熱々の紅茶を好む人は食道がんリスクが2倍に!

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