熱々のお茶は要注意! 最適な「ゴールデン温度」が明らかに

life 2019/03/31
Credit: Visual hunt
Point
■熱い飲み物を飲む際の最適温度は60℃以下だと判明
■60℃を越える温度の紅茶を好む人は、60℃以下の紅茶を好む人と比べて、食道がんの発症リスクが2倍近くに
■「飲む前に数分間冷ます」という小さな心掛けが大切

生活習慣としてぜひ取り入れてみたいお茶の作法です。

コーヒーや紅茶などのホットドリンク。熱々の湯気が立ち上る一杯は、気持ちをリフレッシュされてくれます。WHOは、食道がんのリスクを減らすために、熱い飲み物を飲む前には少し冷ますことを推奨しています。でも、具体的にはどれくらい冷ませばよいのでしょうか?
ある国際チームによる調査で、熱い飲み物を飲む際の「ゴールデン温度」が客観的に示されました。それによると、飲み物の最適温度は、60℃以下とのこと。人の皮膚が何かに触れた時に不快感を覚える温度が50℃近くであることを考えれば、決して悪いニュースではありません。論文は、雑誌「International Journal of Cancer」に掲載されています。

A prospective study of tea drinking temperature and risk of esophageal squamous cell carcinoma
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ijc.32220

初の客観的大規模調査をイラン北東部で実施

飲み物の温度ががんの発症リスクに影響を与えることを示す研究は数多くあります。その仕組みははっきり分かっていませんが、喉の細胞が熱湯にさらされてダメージを受けることが原因ではないかと考えられています。

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従来の研究は、人々に好みの温度を尋ねる方法がほとんどでしたが、客観的かつ具体的な数値を得るのは困難でした。一方で、WHO国際がん研究機関などの公的機関は、動物実験だけを頼りに最適温度の上限は65℃だと提唱してきました。

そこで今回、この研究チームはイラン北東部のゴレスターン州で調査を実施することに。この地域には、紅茶文化が深く根付いており、食道がんの発生率が比較的高いことから、すでに科学調査の対象地域として定着しています。しかも、結果に影響を与えかねない飲酒・喫煙習慣を持つ人が少ないことも好都合でした。

熱々の紅茶を好む人は食道がんリスクが2倍に!

集められたのは被験者5万人のデータ。喫煙の習慣から、社会経済的地位、紅茶を飲む前に待つ時間まで、あらゆるデータを収集しました。その後数年にわたって、電話による健康状態のチェックを行いました。

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ポイントは、最初の面談の際に、75℃の温度に調整した熱々の紅茶を被験者に出したこと。被験者はそれを一口飲んで、好みの温度に近いかどうかを尋ねられました。被験者が「もう少しぬるめが好みだ」と答えると、紅茶の温度がさらに5℃下がるまで待ってから、再び被験者に一口飲んでもらい、温度の好みを尋ねました。

その結果、気がかりな事実が判明しました。60℃を越える温度の紅茶を700ミリリットル(約カップ2杯分)を好む人は、60℃以下の紅茶を好む人と比べて、食道がんの発症リスクがなんと2倍近くも高いことが明らかになったのです。

ホットドリンクを快適に楽しむための「新しいお作法」

もちろん、この数値は大局的に捉える必要があります。食道がんは発生率が8番目に高い種類のがんで、米国では生涯罹患リスクは男性でおよそ132人に1人、女性でおよそ455人に1人です。

一方で、イランや中国といった地域に目を向けると、食道がんはかなり一般的な病気です。食事や喫煙などが要因だと考えられています。

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もちろん「電気ケトルなんて捨ててしまえ!」と、極端な選択に走る必要はありません。ですが「飲む前に数分間冷ます」という小さな心掛けが大切です。

食道がんのリスクを半分に減らし、好きな紅茶やコーヒーを快適に楽しむための「新しいお作法」。ホットドリンク習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか?

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reference: sciencealert / translated & text by まりえってぃ

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