イソギンチャクを手に挟む「キンチャクガニ」
イソギンチャクを手に挟む「キンチャクガニ」 / Credit: peerj
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毒イソギンチャクを挟んだ拳でパンチを繰り出す「キンチャクガニ」 その共生関係がナゾすぎる

2021.03.13 Saturday

When boxer crabs fight, anemones are the real winners https://www.dw.com/en/when-boxer-crabs-fight-anemones-are-the-real-winners/a-37348358 Pom-pom crabs prune their living decorations like bonsai trees https://www.newscientist.com/article/2119851-pom-pom-crabs-prune-their-living-decorations-like-bonsai-trees/

インド太平洋の浅瀬に棲む「キンチャクガニ(Lybia)」は、コインサイズの小さなカニです。

それゆえ、海の生き物には格好のエモノにされがち…かと思いきや、実はそうでもありません。

というのも彼らは、両手に毒イソギンチャクを挟んで、襲ってきた相手にパンチを繰り出す恐ろしい習性をもっているのです。

そこから付いたアダ名は「ボクサークラブ(Boxer crab)」

しかも、キンチャクガニとイソギンチャクは他では見られない奇妙な共生関係にあるのです。

イソギンチャクパンチで敵を撃退!

自然下で見られるキンチャクガニは、ほぼ必ずイソギンチャクを手に挟んでいます。

他種のカニはたいてい体より大きく、頑丈なハサミをもっていますが、キンチャクガニのそれはピンセットほどのサイズです。

これが不思議にも、イソギンチャクを挟んでおくのに適した造りをしています。

それ自体では攻撃にも防御にも役立たず、ほとんどイソギンチャクを挟むためにあると言っても過言ではありません。

キンチャクガニの一種
キンチャクガニの一種 / Credit: youtube

手にもったイソギンチャクは、攻撃してきた敵を威嚇するために使われます。

体格に勝るタコや魚でもイソギンチャクに触れれば、鋭い痛みとマヒに襲われ、逃げ去っていきます。

こちらは巨大なフグをパンチで追い払う様子です。

まさにボクサーという感じですが、イソギンチャクをフリフリする普段の様子はとても愛らしく、ボクサーというよりチアリーダーです。

なので、英名では「ポンポンクラブ(pom-pom crab)」と呼ばれることもあります。

気性も敵に襲われない限りは実に穏やかで、サンゴや海底の岩場に身を潜めてジッとしています。

ボクサーというよりチアリーダー?
ボクサーというよりチアリーダー? / Credit: roaring.earth

また、キンチャクガニが自分からイソギンチャクを手放すことはありません。

唯一放すのは毛繕いをするときですが、それも片方はもったまま、もう片方だけを放して足で押さえておくという念の入れよう。

ですから、野生下でイソギンチャクをもっていないキンチャクガニは見つかりません。

それでは、イソギンチャクがなかったり、紛失してしまったときはどうするのでしょうか?

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