甘いものが「別腹」なのはどうして?

life 2019/03/29
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Point
■同じ味に飽きて生じる満腹感を、「感覚特異的満腹感」と呼ぶ
■メインの食事で起こる「感覚特異的満腹感」では「甘いもの」に対する「飽き」がないので、再び食欲がわく
■「満腹中枢」は血中の糖分が上がることで刺激されるので「甘いもの」を食べた後に「別腹」は開かれにくい

お腹いっぱいでも、スイーツなら不思議と食べられるのはなぜ?

オーストラリア・ディーキン大学のフードサイエンス専門家ラッセル・キースト氏は、「風味の変化」が鍵となって「別腹」が開かれると説明しています。

「満腹」は味に飽きたら起こる

そもそも「お腹いっぱい」とはどういう状態なのでしょうか。

キースト氏は「人間の脳には、同じ味のものばかりを食べ続けると飽きてしまう習性がある」と言っています。そうなると脳は「もう食べ物はいらない」と満腹サインを出すのです。

これを「感覚特異的満腹感(sensory-specific satiety)」と呼びます。ズバリ、味覚上の飽きで起こる「満腹感」のことです。なんだか「お腹いっぱい」という反応は、脳が同じ味に飽きてスネちゃった感じに似ていますね。

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ところが満腹状態のときに、まったく味や香りの違う「甘いもの」が目の前にあらわれると、そっぽを向いてた脳が振り向くのです。「甘み」には、まだ飽きてないので再び食欲がわくというわけなんです。

要するに「甘いものは別腹」とは「風味の変化によって脳の満腹感が食欲に取って代わることだ」とキースト氏は説明しています。

「甘いものは別腹」を実験してみた

別腹の効果を調べるため、キースト氏は、参加者をつのって2グループに分け、実験を行いました。

まず、第一のグループにしてもらった課題がこちら。

(1)「ストロベリー・ミルクシェイク」300mlを2分以内で飲み干してもらう、(2)同じ味を700mlに増やして飲んでもらう(満腹感をつくるプロセス)、(3)さらに参加者が飲める分量だけ申請して飲んでもらう

第二のグループには(2)のプロセスだけ味を「チョコレート・ミルクシェイク」に変えており、(1)と(3)は同じです。これ3日続けたら、確実に糖尿になる鬼課題ですね…。

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そして課題を終えた後、両グループが満腹後に消費したシェイクの分量を割り出しました。すると同じ甘いものにも関わらず、味を変えた第二グループの方が消費量が多いことが判明したのです。

味変が見事に効果を現して「別腹」が開かれた証拠ですね。

別腹の代表が「甘いもの」なのはなぜ?

しかし味変で「別腹」が開けるのなら、先にケーキを山ほど食べた後で焼肉に変えてもイケるのでは?と思ってしまいます。

ですが日常の食事を構成する成分は、塩味やうまみ、酸味というのがほとんど。「砂糖の甘さ」が際立った料理がメインとなる食事の中に出ることはあまりありません。

つまり私たちが経験する「満腹感」の大半がしょうゆ味や塩辛さによるもので、「甘いもの」が原因とはなっていないのです。

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それから私たちの脳には食欲がわく「摂食中枢」と食欲が減退する「満腹中枢」があります。そして、「摂食中枢」は、血中の糖分が下がると刺激され空腹になりますが、反対に「満腹中枢」は血糖値が上がることで刺激されるのです。

つまり「甘いもの」を食べた後に別腹は開きにくいということなんです。食事に「ストップ」をかけるには「甘いもの」がもってこいなのでしょう。

 

とするとフレンチ料理ってかなり「甘いものは別腹」の理にかなった順番になっていますね。最初は前菜からスタートしてメインディッシュでいったんお腹を満たした後、スイーツで鮮やかにしめる。素晴らしいコースです。

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reference: huffingtonpost, kanazawa-gu / written & text by くらのすけ

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