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どう見てもクトゥルフじゃ? イギリスで4億3,000万年前の棘皮動物の化石がみつかる

2021.01.27 Wednesday

2019.04.11 Thursday

Credit: Elissa Martin/Yale Peabody Museum of Natural History
Point
■イギリスで約4億3,000万年前の生物の化石がみつかり、それがクトゥルフのような生物であったことが判明
■その生物はウニやナマコと同じ棘皮動物であり、触手のような足で移動や獲物の捕獲をおこなう
■触手の構造から、かつてはナマコと同じ進化のライン上にいた可能性が高いと考えられる

なかなかの触手感…。

イギリスで新たに見つかった4億3,000万年前の生物の化石が、45本の触手のようなチューブ状の足を持ち、海底をはい回っていた生物のものであったことが判明しました。

その名も「Sollasina cthulhu」。ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説に登場する、多くの触手をもつモンスター「クトゥルフ」から由来するものです。

A new ophiocistioid with soft-tissue preservation from the Silurian Herefordshire Lagerstätte, and the evolution of the holothurian body plan

https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rspb.2018.2792

ウニやナマコと同じ棘皮動物

その化石は、イギリスのHerefordshire Lagerstätteで見つかりました。化石化した古代の海洋生物の宝庫として知られる場所です。その生物は小さく、およそ「大きなクモ」と同じくらいのサイズであり、ウニやナマコ、ヒトデと同じ棘皮動物に分類されます。

また、中でもその生物は絶滅した棘皮動物のグループの1つである蛇函綱(じゃかんこう)に属しています。高解像度の物理光学トモグラフィーを用いて生物を3Dで再現してみたところ、ほぼすべての棘皮動物にみられ、かつては知られていなかった内部の「水管系」の存在が明らかになりました。

各レイヤーごとの写真を撮影して、数百のスライス画像を組み合わせると、デジタル化された3D「ヴァーチャル化石」が完成します。これにより、Sollasina cthulhuの中に水管系の存在が確認され、さらにそれがウニよりはナマコに近いものであることも明らかになりました。

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