インドの海水が突然「甘く」なった!「神の奇跡」と呼ばれた現象の真実とは…

life 2019/04/25
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Point
■2006年8月18日、インド・ムンバイにある海水が突如として「甘くなる」現象が発生■現在でも原因は不明だが、大量の雨水によって塩分濃度が中和された可能性が高い

■密度に違いがあるため、淡水は海水の上層部に蓄積しやすい

神の奇跡か自然現象か。

2006年8月18日、インド・ムンバイにある海水が甘くなるという不可解な現象が起きた。

誰かが大量に砂糖をぶち込んだのか?…しかし、そもそも塩水に砂糖を入れても塩分濃度は中和されない。

一体インドに何が起こったのだろうか。

極度に汚染されていた海水

事件が起きたのは、ムンバイにある「マヒム・クリーク」という内海。ここは普段から大量のゴミが捨てられていたり、工業施設の汚染水が流れ着く場所として有名らしい。

マヒムの水を飲むと深刻な下痢や嘔吐、胃腸炎を発症する可能性がきわめて高いそうだ。しかし住民たちは公害対策委員の忠告もどこ吹く風で、日頃からマヒムの水を飲み水にしたり、沐浴に使ったりしていたという。

それでも現在のところ、水が原因となった被害は報告されていない。なんというインド人のたくましさ…免疫のない日本人が飲んだら心身ともにアウトな感じだ。

汚染が深刻化しているマヒム・クリーク/Credit:unbelievable-facts

奇跡の現象は18日の夕方頃に起きた。

いつものように内海の水を飲んだ住民が「甘くなっている!」と気づいたのだ。噂はたちまち広まり、ムンバイ中から住民や地元のTV局まで「マヒム・クリーク」に駆けつけたのだ。

住人たちは「この水を飲めば病気が治る」と信じ、ペットボトルに入れて持ち帰ったらしい。なんとも信心深い。

「甘さ」の原因は神のみぞ知る

この怪奇現象、実はいまだに原因不明だ。

当時採取した海水を調査してみると、普段は約1万ppmある塩分濃度が600ppmまで激減していたことが分かっている。

このことから研究者たちは「大量の雨水により海水の塩分濃度が中和されたのではないか」と推測している。当のムンバイでは怪奇現象の数日前に激しい雨が降っていたそうだ。

海水と淡水では密度が違うため、淡水の方が上層に浮き上がる性質がある。そのためちょうど塩分が薄くなった部分を飲んで「甘い」と感じたのかもしれない。

Credit:unbelievable-facts

翌日19日の午前10時半には甘味が薄れていき、同日午後2時には完全に元のしょっぱい海水に戻ったと言う。おそらく時間が経つことで雨水と海水が混ざったと考えられるが、真実はまさに「神のみぞ知る」だ。

この現象は今日でも「インドの聖水事件」として語り継がれている。

「古代の農業」で砂漠化を止めた男性

reference: unbelievable-facts / written & text by くらのすけ

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