ネプチュニア砂漠に「禁断の惑星」が出現する

space 2019/05/29
NGTS-4b / Credit: University of Warwick/Mark Garlick

Point

■既存理論では海王星サイズの惑星が存在しえないと考えられてきたゾーンで、海王星の8割ほどの大きさの惑星NGTS-4bが見つかった

■通常は、仮にそこに天体が存在したとしても、恒星からの強い照射によって表面のガスが蒸発する

■NGTS-4bがガスを留めていることから、ここ最近(過去100万年)の間に現在の場所へ移動してきた可能性がある

ありえない場所で、ありえないものが見つかった。

既存理論では海王星サイズの惑星が存在しえないと考えられてきたThe Neptunian Desert(ネプチュニア砂漠)で、海王星の8割ほどの大きさの惑星が発見されたのだ。

発見したのは、英ウォーリック大学の天文学・天文物理学グループが率いる国際研究チーム。

今回の発見は、The Next Generation Transit Survey, NGTS(次世代トランジットサーベイ)と呼ばれる、太陽系外惑星をトランジット法で観測するプロジェクトの一環だ。系外惑星「NGTS-4b」の存在は、南米チリに設置されたNGTS設備が捉えた観測データに基づき確認された。

パラナル天文台 / Credit: ESO/G.Hüdepohl

 

NGTS-4b: A sub-Neptune transiting in the desert
https://academic.oup.com/mnras/article/486/4/5094/5475662

ガスを地表に留める「禁断の惑星」

NGTS-4bには、”The Forbidden Planet”(禁断の惑星)というなんとも心惹かれるニックネームが付けられている。NGTS-4bは海王星よりも小さく、地球の3倍の大きさを持っているが、これは既存理論では説明しにくいサイズの惑星だ。

質量は地球の20倍、地表温度は約1,000℃に上り、恒星の周りをわずか1.3日で一周している。

ネプチュニア砂漠は、仮にそこに天体が存在したとしても、恒星からの強い照射によって表面のガスが蒸発し、硬い岩石の芯だけが後に残るのが通常だ。ところがNGTS-4bはいまだに、ガスを地表に留めているという。

わずか0.2%の減光をキャッチするNGTSの望遠鏡

新しい惑星を発見するため天文学者が探すのは、天体の光の減少(減光)だ。天体を周回する惑星があれば、天体から発される光は自ずと遮られる。

そして惑星が恒星の手前を横切る現象(トランジット)にともなう、恒星の減光によって惑星を検出する方法がトランジット法だ。

通常、地上に設置された望遠鏡は1%以上の減光しか捉えることができないのだが、NGTSに設置された望遠鏡はわずか0.2%ほどの減光を探知できるほどの精度を備えている。

研究チームは、この惑星がネプチュニア砂漠にここ最近(過去100万年)の間に移動してきたのではないかと考えている。または、サイズがあまりにも大きいために、大気がいまだに蒸発途中である可能性もあるだろう。

Credit: pixabay

ウォーリック大学のリチャード・ウエスト博士は、「この惑星はタフに違いありません。海王星サイズの惑星が存在しえないと考えられてきたゾーンのど真ん中に存在するのですから」と語っている。確かに「禁断」というにはあまりにも堂々たる風貌だ。

研究チームは、ネプチュニア砂漠にさらに多くの惑星が存在する可能性を探るため、データの解析を進めている。これまで「不毛の地」として認識されてきたネプチュニア砂漠は、思いもよらない豊潤さを湛えているのかもしれない。

【2019.05.29 12:50】
一部タイトル・記事を修正して再送しております。

非常に珍しい「地球に近づく銀河」の精密画像をNASAが公開

reference: eurekalert / written by まりえってぃ

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