奇妙な「突起」を持つ25億年前の巨大細菌の化石が見つかる 

history_archeology 2019/07/05
Credit: Andrea Corpolongo

Point

■25億年前の化石の中から、原始細菌の一種であるシアノバクテリアと思われる生物の残骸が発見された

■化石は、石灰岩とシアノバクテリアの死骸によって作られるストロマトライトと呼ばれる岩石から見つかった

■現存するシアノバクテリアよりもサイズが大きく、組織の一部が突出した形状を持つ

石を食べて砂を排泄する不思議な虫が見つかる

地球上の酸素はいつから存在するのだろうか?

酸素を生み出すのは、光合成を行う生物だ。ということは、光合成を行う生物がいつから地球上にいたのかがわかればその謎が解けるかもしれない。

今、その生物として科学者の中で有力視されているのが微生物の一種シアノバクテリアだ。

今回見つかったのは、25億年前の化石の中にあったシアノバクテリアと思われる生物の残骸である。

この生物は通常のシアノバクテリアよりかなり大きい。さらに組織の一部が突き出したような奇妙な形状をしている

もしこの化石が本当にシアノバクテリアのものであれば、これこそが酸素を排出することによって地球の大気を変化させた張本人か、またはその祖先ということになる。

発表は今週「Astrobiology Science Conference」で、米シンシナティ大学のアンドリュー・チャザ氏によって行われた。

Extra-large and morphologically unique microfossils of the 2.52 Ga Gamohaan Formation, South Africa
https://docs.google.com/viewer?url=https://agu.confex.com/agu/abscicon19/mediafile/ExtendedAbstract/Paper479094/2019_AbSciCon_Abstract_Corpolongo.pdf

「ストロマトライト」という岩石に微化石がびっしり!

この化石は、地球上の酸素濃度が急上昇した大酸化イベントが起きる1〜2億年前のものと推測されている。

これは地球と生命の進化にとって、地球史上でとても重要な時期だ。この時代に見つかった化石は過去に数例しかないため、今回の発見はかなり貴重だ。

チャザ氏は南アフリカを探索中、石灰岩とシアノバクテリアの死骸によって作られるストロマトライトという岩石に偶然行き当たった。

授業で使用するためにその岩石を自宅に持ち帰った彼は、その中に非常に小さい生物の化石、つまり微化石がびっしり詰まっていることに気がついた。

ストロマトライト(米国グレイシャー国立公園にて撮影されたもの) / Credit: Wikipedia

顕微鏡で調べたところ、これらの化石がケロジェンという有機化合物から成る中空球を形成していることが分かった。これらの中空球の中には、長細い形状をしたものもあれば、突出したような形状のものもあった。

サイズが大きい上に奇妙な「突出」も

この微生物の正体は正確に分かっていないものの、化石がストロマトライト内部で見つかったことから、チャザ氏らは古代のシアノバクテリアではないかと推測している。

しかしそのサイズは、現在のシアノバクテリアとは一致しない。

現存するシアノバクテリアの大きさは平均して約5〜10ミクロンで、最大でも60ミクロンほどだ。これに対して、今回見つかった微生物のほとんどがその平均サイズを超えており、中には100ミクロンほどに達するものもあるという。

また奇妙に突出した形状は一見すると、有機体の一部が分裂して別の組織をつくる無性生殖の「出芽」のようでもある。

しかしこの出芽もまた、現在のシアノバクテリアには見られない。

Credit: Andrea Corpolongo

この謎の微生物の正体を巡り、研究者たちは現在活発に議論を交わしている。

「化石のように見えるのは、中に閉じ込められた液体がゆっくり蒸発した際に残った空洞に過ぎない」という意見もあれば、「ストロマトライトの形成過程でそうした現象は見られない」と主張する意見も存在する。

チャザ氏は今後南アフリカを再訪し、今回の発見場所の周辺で同様の微化石を見つけることができないか試みたいと考えている。さらなる証拠が手に入れば、太古に存在した微生物コミュニティーに関する重要なヒントが得られるだろう。

地球環境の進化の過程を理解するための確かな糸口になりそうだ。

果たしてこの謎の細菌は、酸素の母「シアノバクテリア」の始祖なのだろうか。生命の始まりに迫ってきた。

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reference: livescience / written by まりえってぃ

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