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60年間続く太陽の謎 表面は6000℃なのにコロナは100万℃に達する原因 (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2019.12.09 Monday

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新しい事実 電磁波の共振

今回の研究チームは、ニューメキシコ州にあるDunn Solar Telescope(DST)という望遠鏡の高解像度の観測を利用して、太陽の波動の研究を行いました。

ニューメキシコ州サクラメントピーク観測所にあるDunn Solar Telescope(DST)。/Credit:NSO,AURA

ここでは、太陽光を基本色に分解し、太陽表面に近くに形成されるシリコン、カルシウム、そして彩層(コロナの内側ある薄いガスの層)のヘリウムなど、太陽大気に含まれる元素の挙動を調べました。

すると元素の違いによって、太陽プラズマの速度の違いが明らかになり、そこから太陽の放つ電磁波の周波数をふるい分けることが可能になったのです。

これはオーケストラのような様々な楽器の合わさった音から、それぞれの楽器の音を選り分け分解する方法に似ています。

こうして得られたデータをスーパーコンピューターを用いたシミュレーションによって解析したところ、電磁波の増幅プロセスが明らかになったのです。

それによると、コロナ外層で部分的に波を反射する境界が形成されていて、それが波を補足し音響共振器のような状態を生み出していることがわかったのです。

この状態はアコースティックギターの原理などを考えると理解しやすくなります。ギターは中が空洞になっていて、そこで音波が共振されることで大きな音色を放ちます。

太陽のコロナ外層では、この様な電磁波が補足される状態が生まれていて、これが波の強度を劇的に増大させていたのでうす。

この新しい研究は、太陽の電磁波に関する新たな理解の扉を開くものだと考えられています。こうした原理が、熱源となる太陽表面からはるかに離れたコロナを高熱にする原因と考えられるのです。

これはコロナ加熱を理解するための重要なステップの1つだと、研究者たちは語っています。

ただ、まだ全ての理由が解明されているわけではありません。なぜそんな状態が生まれるのか、詳細はこれから解明されていくのでしょう。

「太陽の近くでは磁場がよじれている」人類史上初の太陽を間近で調査する探査機が新発見を報告

reference:phys,JAXA/ written by KAIN

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