geoscience

水平方向に広がる「新種のオーロラ」が発見される

2021.01.27 Wednesday

2020.02.01 Saturday

フィンランドで撮影された「デューン」。画像奥には普通のオーロラがあるが、手前側に伸びる薄い霧のシートのようなものが、水平方向のオーロラ「デューン」である/Credit: Kari Saari
point
  • これまでに観測されたどのオーロラにも当てはまらない新種のオーロラがフィンランドで観測される
  • 一般的なオーロラは垂直方向に伸びるが、今回のオーロラは水平方向に広がっていた

2018年10月、フィンランドの夜空にかかる奇妙なオーロラが、アマチュア天文家のマティ・へリン氏により撮影されました。

これまでに見たことのないオーロラだったこともあり、へリン氏は、ヘルシンキ大学の天体物理学者ミンナ・パルムロス教授に画像データを送り、説明を求めました。

パルムロス教授と研究チームが調べた結果、なんとまったく新しいタイプのオーロラであることが判明。

オーロラは、まるで砂丘の波紋が伸び広がるような様子から、「デューン(The dunes)」と命名されました。

では、このデューンと普通のオーロラとは何が違うのでしょうか。

研究の詳細は、1月28日付けで「AGU Advances」に掲載されています。

Citizen Scientists Discover a New Auroral Form: Dunes Provide Insight Into the Upper Atmosphere
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1029/2019AV000133

通常の「オーロラ」はどうやって起きる?

オーロラ発生の原因は、太陽風にあります。これは、太陽が宇宙空間に放出するプラズマの風です。

太陽風はものすごいスピードで移動し、2〜3日ほどで地球にぶつかります。この時、太陽風をブロックしてくれるのが、磁気圏という地球の壁です。

Credit: auroranavi

ところが、ブロックされた太陽風は、地球の夜側(太陽に向いていない側)に流れ、そこから磁気圏に侵入してきます。そして、地球最後の砦である大気層にぶつかり、太陽風のプラズマ・エネルギーが、大気中の酸素や窒素を励起(外から強いエネルギーを受けることで、高エネルギー状態になること)させます。

こうして発光する現象が、オーロラです。

発生場所は、一般的には高度80km〜500kmの超高層大気である電離層だといわれています。

次ページ「デューン」が特別な理由

<

1

2

3

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

地球科学のニュースgeoscience news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!