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水平方向に広がる「新種のオーロラ」が発見される (3/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.02.01 Saturday

前ページ「デューン」が特別な理由

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「デューン」の仕組みを解明

デューンが水平方向に伸びる仕組みについて、研究チームは次のように説明します。

まず、デューンの発生地点は、画像データ分析により、高度100km付近であることが特定されています。

そして、この高度まで上昇した大気重力波が、温度の低い2つの大気層ー高度80kmの反転層(inversion layer)と高度100kmの中間圏界面(Mesopause)ーの間に挟まれます。

Credit: Jani Närhi

すると、酸素や窒素を含む大気の波は、狭い領域内を横方向、つまり水平方向に伝播します。この領域内に太陽風のプラズマが衝突することで、デューンのようなオーロラが出来上がったというわけです。

画像
左に向かって広がる波紋のようなものが重力波。/Credit:Andrew Miskelly/Twitter

動画のように、大気重力波は水平方向に拡散することが知られています。

この拡散する大気重力に高エネルギーの太陽風が命中した結果、水平方向のオーロラができたのではないかと、研究チームは考えています。

明快な説明ですが、その一方でパルムロス教授は「これも仮説にすぎない」と話します。

というのも、高度80km〜100kmというこの領域は、気球レーダーで観測するには高すぎ、宇宙船を送るには低すぎるのです。そのため、知られている情報も少なく、大気重力波がどのような動きをするのかもよく分かりません。

研究チームは、今後、デューンのデータを手がかりに、この謎に満ちた領域について解明していく予定とのことです。

神秘的な「ドラゴン・オーロラ」がアイスランドの空に発生!その正体は?

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