雲と樹木の関係とは?
雲と樹木の関係とは? / Credit:ぱくたそ
geoscience

雲を作り出す要因は樹木にあった!?雲の形成において重要な物質とは

2023.10.15 Sunday

1970年代以降、雲は気候システムや気候変動に大きな影響を与えることが判明し、科学者は雲の研究に関する重要性を認識してきました(気象庁)。

普段雲の形状は大きさを気にすることはないでしょうが、実は地球の温度天気季節変化に大きく関わっているのです。

今回は、そんな雲が形成される要因についての解説します。

How Trees Influence Cloud Formation https://www.technologynetworks.com/tn/news/how-trees-influence-cloud-formation-378655 雲の微物理過程の研究 https://www.mri-jma.go.jp/Dep/typ/araki/cloud_microphysics.html 雲の種を探る https://www.metsoc.jp/kyoikuhukyu/resume/2010/Zaizen.pdf
Role of sesquiterpenes in biogenic new particle formation https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adi5297

雲ができる原理とは?

エアロゾルが雲をつくる
エアロゾルが雲をつくる / Credit:東京大学先端科学技術研究センター

エアロゾルという大気中にある微粒子を核に水や氷が集まって出来た粒子です。

この粒子は太陽光を反射するほど大きいため、白く輝き雲として我々に認識されます。

コロナウイルスの話題でも、ウイルスがエアロゾル化したなどの言い回しを聞くことがあると思いますが、エアロゾルは特定の物質を指す言葉ではなく、個体や液体が大気中に広がった状態を表すものです。

自動車や工場など人間活動によって排出されるガスや、樹木や火山活動など自然界から出たガスなどが微粒子となって大気中に拡散していくと「エアロゾル」と呼ばれるようになります。

それぞれのエアロゾルはわずか0.5ミクロン~20ミクロンという小さな物質で、これらを核にし、雲のもととなる水や氷の粒子が出来上がります

このエアロゾルの大きさや性質、量などによって、できる雲のできやすさ、形や厚さは変わります。

例えば、飛行機雲(航跡雲)はなぜ形成されるのかというと、飛行機の通過した後には排気ガスが大量にエアロゾル化するため、これを核にして急速に細長い雲が生まれるためです。

航跡雲の様子
航跡雲の様子 / Credit:photoAC

雲の量や性質により、地表に届く太陽の光の量は異なりますし、雨や雪の量も変わってきます。

そのため、どのエアロゾルがどのように雲の形成に影響するのか研究することは、地球環境のためにも重要です。

次ページ雲を作るエアロゾルの謎にせまる

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