- 毎週ヨガを行なったうつ病患者たちは、うつ症状に改善がみられた
- 週に1度ヨガを行なうだけで、GABAレベルを高い状態に維持できる
「身体と心に良い」とされるヨガは世界中で人気です。
以前はヨガがもたらす生理学的効果が明確にされていませんでしたが、現在では研究によって広く実証されており、新しい研究によっても証拠が積み重ねられています。
そして今回、ボストン大学医学部のチームの新しい研究によって、ヨガが体内のGABAを増加させることが分かりました。
GABAにはうつ状態を緩和する効果があるため、定期的なヨガによってうつ病が改善される可能性があります。
新しい研究は「Journal of Alternative and Complementary Medicine」に掲載されました。
Thalamic Gamma Aminobutyric Acid Level Changes in Major Depressive Disorder After a 12-Week Iyengar Yoga and Coherent Breathing Intervention
https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/acm.2019.0234
うつ病患者へのヨガ実施
うつ病は特別な病気ではなく、いつ誰がなってもおかしくありません。現在でも世界中の3.5億人がうつ病で苦しんでいます。
そのため、うつ病治療に関する研究はさまざまな分野で行なわれており、神経伝達物質として作用するアミノ酸である「GABA」が、抑うつ症状の軽減に効果があることも判明しています。
今回うつ病の対策として「ヨガ」に着目した研究者たちは、その効果を調べるために、ヨガを行なわせた患者たちのGABAレベルを測定。
研究では、30人のうつ病患者のグループを2つのグループに分け、それぞれのグループに1回90分間のアイアンガーヨガ(代表的なヨガの一種)とその呼吸を実践させました。
3ヵ月の間、片方のグループには週3回、もう片方のグループには週2回ヨガを行なわせ、ヨガ前後で脳のMRIスキャンを受けさせました。